Lヒカアキ小説
□I have to help him.
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ボクは何もなかったかのように席に座る。
「塔矢!」
ドキッとする胸。
「な、何ですか…?」
「誰が呼んでたんだ?」
「えっと、その…」
「塔矢〜!」
「ご、ごめんなさいっ」
ボクは放課後職員室に呼ばれてしまった。
「お前のせいで進藤を逃がしたんだぞ!」
「すみません…」
「第一、教師に嘘をつくということはだな…」
くどくどと説教をする先生。ボクはボーッとその説教を聞いていた。
"ガラガラ−"
突然、職員室のドアが開いた。
先生皆の視線がドアの方へと集まる。
そこに居たのは…
「進藤先輩…?」
「行くぞ!」
ボクの手を引いて走りだした。
後ろからは先生が追い掛けてくる。
「待て!進藤!」
「チッ、仕方ねぇな」
そういうと、ボクをお姫様抱っこした。
「えっ!?先輩!?」
「しっかり掴まってろよ」
先輩はそのまま窓から飛び降りた。
綺麗に着地する。
三階から着地って…。
「走るぞ」
「えっ!?」
進藤先輩は猛スピードで走る。
先生は唖然としている。
校庭で部活をやっている生徒達からの視線が気になる。
ボク、こんな目立ちたくなかったのに…!