Lヒカアキ小説

□I have to swim with him.
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しばらく羞恥の嵐で、ロクに先輩と顔が合わせられなかった。
プールサイドで顔に手をかぶせていたら
背後から水の音が聞こえた。


そして、背後から抱きしめられた。



「……可愛い、塔矢」

「……………」

「大好き、塔矢」

「……先輩…」

「え?」

「……何処触ってるんですか…」

「あ・バレた???」


後ろから回された手は、ボクの胸をがっしり包んでいた。

…男の人って……。
何でこう、ヘンタイばかりなんだろう…。
先輩はボクからの指摘もムシして、まだ触ってるし。


「あのさ塔矢、お前、電車に乗ってるときとか痴漢にあわねーの?」

「・・・・・・・ないですよ」

「え〜〜〜!!オレだったら絶対お前を、痴漢すんのに!」

「…やめてください。ちなみに、ありますよ、何度か」

「あったのかよ!」

「ええ。でも、触られた瞬間、いつも殴り飛ばしてますけど…」


酷い時は、同じ車両で5回も遭遇するときがあった。
でも、拒絶反応ですべて殴り飛ばした。
本当に行きと帰りは大変。

・・・・・・・・。

あれ・・・・・?
何かさっきの言葉ひっかかるような・・・・・?


そう勘付いたボクは、見事的中した。



「お前…、オレが触っても殴んねーじゃん……」

「………っ……!!」



最悪だ。
すべてお見通しだ。
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