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□overture
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『カヲル君っ!!』


誰かが僕の名前を呼んでいる。
どこで・・・?
誰が・・・?
シンジ君かな。


『カヲル君っ!!』


まただ。
返事をしたい。
目を開けたい。
でもなぜか、そのどちらも出来なかった。


まさか、これも老人たちのシナリオの一部じゃないだろうね。


突然、僕の体が軽くなった気がした。
そして同時に得体の知れないふわふわした何か僕を包み込んでいく。
何だろう。
でも、心地いい。

僕はそのまま、自分の意識がなくなってゆくのを感じた。


でも声は聞こえた。


『カヲル君っ!!』


うん、聞こえているよ。
でも・・・今は少し・・・この・・・ままで・・・

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