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□第一章
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「おい 聞いたか?高等部の話し」


「聞いた聞いた!例の転校生だろ!?」


その日は教室が…いや学園全体が騒がしかった

何故かって?

高等部にあのボンゴレの御曹司様が転入してきたらしいのだ

今学園中はその話しで持ち切りで
どこに行ってもボンゴレ ボンゴレとその名を耳にする


「おい ディーノ」


「へ?」


突然クラスメイトのアメデオが話しかけてきた
いつもは俺をイジメてくるグループの奴のくせに一体なんのようだろう

「お前 それでもボンゴレと同盟関係にあるキャバッローネファミリーのボス候補なんだろ?
パーティーとかで顔合わせたこととかないのかよ」


あぁ またその話しか…

もう何人もの生徒達に同じ質問を浴びせかけられ続け
俺はもうグッタリだ


「ないよ ボンゴレ主催のパーティーにもなかなか顔出さないらしいし
俺みたいなのが気安く話せるレベルの人間じゃないだろうしさ…」


アメデオは俺の話しを聞くと肩を竦め実に残念そうな表情を見せる


「ちぇ…知らねーならしょうがないなぁ…」


「一体なんでそんなに聞きたがるの…?」


フと思った疑問を素直に聞くと
アメデオは目を見開かせこれでもかと言う程に俺を凝視してきた


「な、なんだよ…」


あまりの驚き様に俺が後ずさると
ハッと意識を戻したように目をパチクリさせ
その理由とやらを教えてくれた


「美女なんだってよ」


「は?」


「だから絶世の美女なんだってよ!
背はちょっと低いらしいけどそれを除けば誰もが振り向く超美人って有名だぜ?」


「へ、へ〜」


そう言われたら確かに気になるな…

俺だって曲がりなりにも男な訳だし
そんなことを聞かされては興味をもつのは当然だ

そこまで言われるなら相当のものなのだろう…

話すとまではいかなくても見てみたいものだ


「それに頭も頗(すこぶ)るいいらしいし家柄も良いときた
本当非の打ち所がねぇよな」


とまるで自分の彼女を自慢するように一度も噛むことなく実にまことしやかに紡がれる言葉は
本当に驚きものである







 
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