オリジナル

始まりはいつも…突然に
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少し肌寒くなってきた
9月…朝日が差し込む中
銀杏並木の下を
幾つもの車が
吸い込まれていく

ベンツ、フェラーリ、BMW…

の排気ガスの中に
少女はいた

この学園における
圧倒的少数の徒歩通学

重い紺色の鞄を肩に掛け
橙色のキャリーバックを
前に後ろに揺らめかせて

深いため息とともに
豪奢な正門へ吸い込まれる少女の背中は
どこか気だるそうだった



「…また今日の始まりだ」
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