妄想駄文★銀魂

□ふとしたときに思うこと
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 あぁ、本当にだめな大人だと思う。でも・・・そんなだめな大人を好きになった僕は、もっとだめなのかもしれない。
 
    ふとしたときに思うもの

「ぎーんさーん、いい加減起きて下さい。もうお昼過ぎてますよ!!」
 目の前の涎を垂らしながら睡眠をむさぼる上司坂田銀時に、冷めたまなざしを向けながら本日何度目かになるか分からない起きてコールをするのは志村新八。
「もぅ、神楽ちゃんなんかお昼ご飯まで食べて遊びにいっちゃいましたよ!!!」
乱暴に銀時の体を揺すりながら耳元で叫ぶ。
 はぁ・・なんでこの人こんなに起きないんだ
なかばここまでして起きない銀時に感心しつつ立ち上がった。あきらめて台所に行こうと踵を返した瞬間足には銀時の手が巻き付いていた。
「おはよ、新ちゃん」
「起きてたんですか。ならもっと早く反応して下さいよ」
本日何度目になるか分からないため息をつきつつ、離して下さいと掴まれてる足を引っ張った。
「新ちゃんがおはよーのちゅうしてくれたら起きる」
いたづらをしかけている子どものようにニヤニヤ笑っている。
「なっふざけないで下さい。何で僕が・・・」
言った瞬間新八の視界がグラッと揺れる。
「わっ」
倒れる、そう思い目をつぶる。
「おっと」そう言う声が耳元から聞こえて恐る恐る目を開けると、銀時がさっきと同じ笑みで新八を見下ろしていた。
「あんた、足引っ張ったでしょ」
「うん、新八が素直じゃねーから素直になりやすい体制にしてやった」
ふざけんなと言いかけたところで降りてきた銀時の唇。即座に舌を絡め取られる。
「んっ、ふっっ」
せめてもの抵抗と銀時の胸板をばんばん殴る。しかしそれも薄れていく思考の中であきらめざるを得なかった。
「まーまー、新ちゃん、銀さんなんだか元気になっちゃってだからさー」
新八が文句を言う前にまた口をふさぐ。新八の意志に反しトロンとしてきた瞳をのぞき込みいつもの一言。
「新八、大好き」
普段はなかなか見せない満面の、本当に幸せそうな笑みを浮かべる。
  あぁ、もうしょうがないな
かすかに残っている意識で思った。
「好き」
口に出ていた。
銀時は新八の言葉にさらに顔をほころばすと、答えるようにまた深く口づけられた。
 結局、銀さんのことが大好きなんだなと新八は心の中で思った。

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