妄想駄文★銀魂

□思いどうりにいかないモノ”1”
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 最近、土方さんがかまってくれなくなった・・・。はっきり言ってつまらない。
バズーカをぶっ放しても、怒るは怒るけどすぐに黙り込んでしまう。
理由は分かっている。それは土方さんが・・・・恋をしているから。
誰にって、それももう分かっている。あの万事屋眼鏡だ。花見の時一緒になったあの目立たない、
地味な、もう一人の山崎みたいな感じの男の子。
顔はよく見ていないけど、チャイナと戦うのに夢中になっていたから。
ちなみに何で分かったかというと、土方さんが市中見回りの時によく大江戸スーパー付近に行くから。
そこでよく買い物している眼鏡に会う。
眼鏡は偶然だと思っているのか「最近よく会いますね」と笑っている。
土方さんは「そうだな・・・」とぶっきらぼうに、仏頂面でたばこを吹かしている。
でもオレにはわかってる。少し土方さんの顔が笑っていることに。
何で分かるかって?それは長年の付き合いってやつだ。
たぶん近藤さんとオレぐらいにしか分からないような少しの変化。
まぁそんなことはどうでもいい。
とにかく土方さんが眼鏡に夢中となるとオレがつまらない。
だからオレは考えた。どうやって土方さんをまた前のようにくやしがらせようと。
・ ・・そうだ!!眼鏡をオレに惚れさせて、土方さんに自慢してからかってやろう。
・ 少し面倒くさいけど、土方さんの悔しがる姿を見られるとなればなんのそのだ。
そうと決まったら即行動。どうせ市中見回りなんて楽しくもないし、
眼鏡の名前、生活、性格なんかを調べて落とす方法を考える事にした。

 「う〜ん 何処にいるんですかねぃ。あの眼鏡君、いや新八君は・・・」
名前はすぐに分かった。山崎に聞いたらすぐに教えてくれたからだ。
「そいやぁ山崎の奴新八君のこと話すときに、すごく生き生きしてたなぁ。あいつも新八君のことが
好きなんだろうねィ。新八君はモテるねィ・・・男に」
誰もいない道ばたを一人で歩きながらクスクス笑う。
そんな沖田の前を運良く、さっきから探していた新八の姿が通りすぎていった。
「みつけやしたぜぃ、新八君。とりあえずは新八君の身のまわりの調査からさせてもらいまさぁ」
沖田はすこし近藤局長のようにストーカーになった気分を味わいながらも、新八の後を気配を消しながら付けていった。

 ついたのは万事屋。まぁ当たり前というか、なんというか。彼の職場なのだから仕方がない。
沖田は新八が万事屋に入っていくのを見ながら、これからどうしようかと試行錯誤を巡らせた。その時
「おい総悟、なにやってんだ?こんなところで」
いつの間に後ろにいたのか土方が不振な顔をして立っていた。
「なんですかぃ、土方さん。オレが何処にいようとオレの勝手でさぁ。それに土方さんこそ、ここで何してるんですかぃ?
まさかまた新八君のストーカーじゃないでしょうねぃ。いいかげんにしねぇと、本当に捕まりますぜぃ」
驚いたことがばれないように、いつものような感じでからかう。
しかし土方は沖田をちらっとだけ見て眉毛を少しだけ動かし、低い声でぼそっと言った。
「総悟・・・お前なんか企んでねぇだろうな。もしあいつが関係してるんなら止めとけ。・・・アイツに何かしたら・・・俺が許さねぇ」
マジな顔して言っている土方がキモイ・・と心の中で思いつつも、沖田はそれだけマジなんだなと思い少し嬉しくなって
いつものニヤッとした笑いを口元に浮かべた。
「許さねぇって、どう許さないんですかィ?しかもオレが新八君になにをするってんでさぁ」
土方がさらに眉毛を潜めたところで沖田が歩き出した。
「おいっ!!総悟」
「なんですかぃ。しつこいでさぁ土方さん。市中見回り、しなくていいんですかぃ?」
「・・・・・・・・・」
土方は沖田の歩いていく後ろ姿を少し見つめた後、万事屋を見上げてから沖田を追って駆けていった。
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