妄想駄文★銀魂
□誘われて恋
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「いつもそうやってんのかィ」
いつもより1オクターブくらい低い声をおかしいと思う前に
視界が反転した
背中に衝撃が走る
いきなりの展開に声も出ず、瞬きもできない
視界の先には天井の木目ではなく、端正な顔があった
表情はいつも通り無いに等しいが、瞳の奥の色が違う
なにか、頭の中の危険信号が激しく点滅するような…危険な色をふくんでいた
「抵抗…しないんですかィ?」
抵抗しようにも両腕はもはや目の前の人物に拘束されており
突然降ってきたキスによってやっと今の自分の状況が理解できた
「なんでこんな状態になってんですか?」
「あんたが誘うからでさァ。いつもそうやってんのかィ」
理不尽な理由とともにさっきと同じ質問を投げかけられる
「僕がなにをやっていると?」
沖田を冷たく睨み、眉間にしわを寄せる
「だから男の誘い方でさァ。いっつもそうやって相手を誘ってんのかと思いやしてねェ」
再び顔が近づいてきたので、ある程度は動かせる頭で頭突きを食らわせた
「…痛ぇなァ」
「当たり前です。僕も痛かったんだから。てゆーか、今なんていいました?僕が男の方を誘ってるって聞こえたんですが」
ひりひり痛む額を意識から外しながら、なるべく低く聞こえるように声を出す
沖田は、頭は危険と学習したのか今度は首元に顔を近づけてきた
「ちゃんと聞こえてるじゃぁありやせんか。…誘ってる自覚、無いんですかィ?」
沖田が声を発するたび首に息がかかり、なんともいえないくすぐったさが身体を襲う
「っつ…。ちょっと、沖田さんそこで喋んないでください。なんかくすぐったい」
目を伏せ顔を少し赤くして、首をすくめた