妄想駄文★銀魂
□内側の恋”2”
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「どうしよう・・・。明日の昼までなんて、どう働いても無理だ」
万事屋を辞めるなんて考えられない。辞めたら一生銀時に会えなくなってしまう。
しかし志村家が抱えている借金はそう簡単に返せる金額ではない。
「一気に稼げる方法なんて、あれしか・・・」
ふっとお妙の顔がよぎる。
「だめだ、姉上に知られちゃ。絶対また自分ひとりでどうにかしようとするに決まってる。今度は僕が姉上のために頑張らなくちゃ」
そうと決まればうかうか時間を潰すわけにはいかない。
万事屋を辞めなくていいように、お妙に悲しい思いをさせないために、新八は家を飛び出し夜の街へかけていった。
歌舞伎町の花町付近に行くと立ち止まり、まわりを見回した。
「うーん、やっぱり相手はお金持ってる人のほうがいいよね」
昔の記憶を思い起こす。
たしか昔、幕臣の方を相手して驚くほどお金をも らったような。ちまちました金を稼ぐために大人数 相手にするより、一回につき大金を払ってくれる人 を数人相手したほうが効率もいいし・・・。
「相手が相手だから少し危険だけど、そんなこと気にしてたら時間がなくなるし」
誰かいい人がいないかと見回していると、前方のほうに幕臣の証、真選組の隊服を身にまとった男の後姿が目に入った。
「真選組・・・どうしよう。でも他に幕臣の人だなんてわかる目印もないし」
真選組には何人か顔見知りがいるし・・・。
「いや、でも顔見知りっていっても僕目立たないし覚えてないって。それに知ってる人の確立かなり低いし」
悩んでいてもしかたがないと自分に言い聞かせると、前方を歩く男に声をかけるため走り出した。
「すっすみません、あの!!」
「あぁ?」
立ち止まらせるために腕を引いた新八の目に映ったのは、いかにも不機嫌そうに眉間にしわを寄せている土方だった。