妄想駄文★銀魂

□思い出シャシン
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「あねうえ…あねうえぇぇ」

周りにいた大人たちは不思議そうに新八を見て通りすぎていく
新八は心細さから自然と涙を流していた

「あにぇうえぇ」

しゃくりあげているせいで言葉までおかしくなってきている

そんな時、新八の目の前に壁ができた
上を見上げてみると、あきらかに変態おじさんというような顔をした人と眼が合った

新八が涙でぐちゃぐちゃの顔で驚いていると、そのおじさんは新八の目線までしゃがみにっこり喋りかけた

「どうしたのかな?お姉さんを探してるの?おじさんが一緒に探してあげようか」

新八の返答も聞かず小さな腕を取る
わけがわからないまま、新八は引っ張られる

と同時に、目の前の新八の腕を掴んでいたおじさんがひっくり返った
またもや、新八はいきなりの展開にビックリして眼を丸くさせ驚く

次の瞬間には、さっき掴まれていた反対側の腕をつかまれその場から連れ去られていた



「おい、おめぇいつまでそんなに驚いた顔してんだィ。眼がこぼれ落ちそうだぜィ」

綺麗な金髪が眼に入り、聴きなれない独特な口調が耳に入ってくる
新八の前には、新八より15cmは高いであろう少年が立っていた

「…だれ?」

新八はまたも小首をかしげもっともな疑問を少年に投げかける
それににっと笑った少年は、新八の涙に濡れた顔を乱暴に自分の袖で拭きながら答えた

「俺は沖田総悟っていいまさァ。お嬢ちゃんは?」

新八は普段から姉と同様に可愛い可愛いといわており、お嬢ちゃんと呼ばれていたため沖田の言葉に何も思うことは無く素直に答える

「志村新八です」

新八の答えに満足げに笑うと、沖田は少し腰をかがめ
新八の着物をパンパンと軽くはたいた
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