妄想駄文★銀魂
□思い出シャシン 〜再会〜
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沖田はいつもどおり、仕事をやれと喚く土方を撒き
何か面白いことでもないかと署内をふらふら歩いていた
取調室の前を通りかかると怒鳴り声が聞こえてきた
「だーかーらー、俺たちじゃないってさっきから何度も言ってんだろ。いい加減にしてくれよ。ほら、神楽もなんか言ってやれ」
「おかわりおくれヨ」
「てめぇどんだけ食う気だ!!底ってのを知んねぇのか!!!」
「なに言ってるネ。まだ二桁少し超したくらいヨ」
「バカか!少し超したくらいって、お前もう30杯超してんだぞ!」
「警察のくせにケチくさいアル。新八みたいネ」
沖田はドアの向こう側から聞こえてきた名前にピクリと反応した
(しんぱち…しむらしんぱち?)
その名が頭の中をよぎると同時に、目の前のドアに手をかけていた
取調室の中に入ってまず目に入ってきたのはどんぶりの山
多少驚いてしまったが顔には出ない
気を取り直してテーブルの前のイスに座っている3人に視線を移した
一番右にはあの命がけで爆弾を空へと投げたくりんくりんの天然パーマが、死んだ魚のような目をしてこっちを見ていた
そして一番左では、ピンク色の髪をしたまだ幼い少女がカツどんをかきこむようにして食べている
ちなみに食べることに夢中なのか沖田には一瞥すら向けない
最後に、二人に挟まれるようにして座っている人物に目を向けた
さらさらの短い黒髪に白い肌
眼鏡をかけており、その奥には大きな黒目がちな眼が隠れている
沖田と新八の視線は見事にぶつかっていた