短編部屋
□真昼の対決
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その日は、とにかく暑かった。太陽を遮る雲が一つもなく、朝っぱらから汗がだらだらと頬を伝う。木陰に居ても、風がないので辛かったが、日向に居るよりはましとそこで少し休んでた。
すると、翠が盥を抱えて通りかかったんで、少し立ち話していると、そこに薬草取りにでも行くんだろう、秋が籠背負ってやって来た。暫く三人で他愛ない話をしてる内に、話があいつの話になった。
そう。この時にあそこに居なかったら―
もしくは、ここにあの子憎たらしい小悪魔がやって来なかったら!
こんな目に!合わずに済んだのに!!
くっっそおお!瑠璃のやつ!
いつか泣かす!ぜったいに泣かしてやる!