短編部屋

□真昼の対決
1ページ/7ページ


その日は、とにかく暑かった。太陽を遮る雲が一つもなく、朝っぱらから汗がだらだらと頬を伝う。木陰に居ても、風がないので辛かったが、日向に居るよりはましとそこで少し休んでた。
すると、翠が盥を抱えて通りかかったんで、少し立ち話していると、そこに薬草取りにでも行くんだろう、秋が籠背負ってやって来た。暫く三人で他愛ない話をしてる内に、話があいつの話になった。


そう。この時にあそこに居なかったら―

もしくは、ここにあの子憎たらしい小悪魔がやって来なかったら!




こんな目に!合わずに済んだのに!!
くっっそおお!瑠璃のやつ!
いつか泣かす!ぜったいに泣かしてやる!
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ