11/23の日記

11:23
落書き小説:いい兄さんの日(KAITO+小さい鏡音)
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「こら!それは危ないから!」
「「う…うわあああああん‼」」

僕は悪くない…ただ針は人に向けちゃいけないって教えようとしただけなのに。
なんでこの子達に睨まれながら泣かれなきゃいけないだ…。

「アンタが受け身だからよ」
「だからって…だからってええええうわああああん‼‼」
「なんでお兄ちゃんが泣くの…」

僕はあの子達に噛まれた手をめーちゃんとミクに消毒してもらいながら愚痴を吐いていた。


それは一日前…
僕は上の人に新しいボーカロイド『鏡音リン・レン』のデモを育てるように頼まれた。
デモだったから小さい子だから世話はとても大変だと分かっていたけどこれも仕事だと思っていたので引き受けたのだけど…こんなに言う事聞かない我儘な双子が来るとは思わなかった。

「アンタは少し仕事という考えから離れなさい、いつも馬鹿なのに変な所で真面目なんだから」
「ひっく…でもおおお」

僕は鼻水を垂らしながらめーちゃんにしがみ付いた。
するとあっ、とミクが声を上げた。

「お兄ちゃん明日オフだよね⁉」
「う、うんそうだけど…」
「だったら明日はリンちゃんレンくんと一日お兄ちゃんが一緒に遊べばいいんだよ!」
「えええええ‼‼」

僕はミクの提案に余計に涙が出そうになった。
そりゃあ一日一緒にいれば少しは仲良くなれるかもだけどその前にあの子達に僕は嫌われている。
もの凄い不安がある、と思っていると

「まあどうせ私達は仕事で朝から夜までいないから丁度いいわね」
「め、めーちゃん…!」

めーちゃんは無理やり僕を剥がすとさっさとキッチンに向かって夕食の準備を始めた。

「さあさあ私も明日のレッスンの練習練習っと!」
「ミミミク…!」

と言ってそそくさと自分の部屋に戻っていった。
僕はどうすればいいのか分からずに辺りをキョロキョロと見渡した。

「ど、どうしよう……」

僕はただ顔を青くしてそう呟くしかなかった。






「リンちゃんレンくん一緒に遊ぼう?」

次の日僕は意を決して無理に笑顔を二人に見せながら近寄ると

「レン…!いやああああ」
「ぼくもいやああああ」
「ちょ、ま、いきなり泣かないで!」

結局僕は二人を泣かせてしまい宥めるのに必死になっていた。
というか僕が泣きたいよ!
そんな時僕はハッとある事を思い出した。
急いでリビングのテーブルに置いてあったあるものを手に持って二人がいるところに戻った。
あるものとはミクの字で『ピンチになったら使ってね』と書かれた紙が貼られたレンタルビデオだった。
もしかしたら子供向けアニメでも借りてきてくれたのかもしれない。
僕は中身を見ないで早速ディスクを入れた。


だが…

「きゃあああああ‼」
「オバケこわいよおおお」

ビデオの中身は某海外ホラー映画だった。
大人の僕でさえめちゃくちゃ怖いのに二人にとっては初めてのオバケだからただでさえ怖いだろう。
だけど

「おにいちゃんまもってね…!」
「ぼくもまもってね!」

僕の右脇にはリンちゃん、左脇にはレンくんががっしりと抱きついてきていた。
そうか…僕が二人を守らなきゃいけないんだ…!
僕はなんでかそんな解釈を思いつくと二人を膝の上に乗せた。
すると二人は僕にぴとっとくっ付いてくれた。
それはとてもむず痒くて恥ずかしかったけどそれ以上に嬉しかった。




「で、どうしてアンタのトイレに付き合わなきゃいけないのよ」
「だだだだだって、あの映画トイレから…うわあああ思い出しただけで…!」
「お兄ちゃん…」

リンちゃんレンくんが眠った夜遅く、仕事から帰って来ためーちゃんとミクにトイレに付き添ってもらった僕はついでに今日の事も報告した。

「良かったー私が選んだビデオのおかげだね!」
「それはないかと…」

ミクにもう頼るの辞める、と言いかけたがネギが飛んできそうなので口を伏せた。

「…だいぶ仲良くなったんだしまあいいんじゃない?」
「色々大変だったけどね…」

めーちゃんが呆れながらも満足そうに言うと僕は苦笑いをした。
でも今日はとても楽しかった、でも二人がいつかはいなくなるのを覚悟しなくてはいけない。

まあ、それは考えずに毎日過ごそう、のんびりとね。




おわり


今日は23年11月23日で「兄さんいい兄さんの日」です!
そんなわけで時間も11時23分を狙いましたww
今回のお話は兄さんの日だし私の理想の兄さんを書こう、みたいな変な目標を立てて考えたお話です。
ちなみに私の理想の兄さんは「誰にでも優しくて文句を言わない、けど叱る時は叱る、優し過ぎてヘタレ、泣き虫」みたいな兄さん好きです(^///^)
兄さんマジ兄さん

それ以上に小さい鏡音と一緒にいる兄さんも好きです!
ですが成長するとリンちゃんは兄さん子になってて、レンは兄さんを毛嫌いすればいいという裏設定。
あと兄さんはトマト嫌いです。(オワタP「トマトきらいのうた」に影響)

そんなわけで兄さんはもっと愛されるべきです…否、もっと愛すべきです!

この話を楽しくかけたので良かったです(^o^)

あとがき長過ぎ失礼しました!


Greas☆

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