short story

□レンプラス!
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レンの部屋が凄いガヤガヤする…。レン朝からどんだけ友達連れて来てるの?私は苦情を言う為バンッと開くとそこには…
『リン!!!!!』
「え…?き……きゃああああああああ!」

いつものバナナな髪型がゾロゾロ…それが一斉に私を見た。
そう…沢山のレンがいました。



ROUND1

「レンくんがいっぱい…きも」
「本当…気持ち悪いですわ」
ミク姉とルカちゃんが沢山のレンを見て口々に言っていた。
そう、レンの一人部屋には数えて8人のレンがいたのだ。見た目的にはそう変わりないけど…問題は
「もっとリンに好かれたいから歌うんだオレ!」
「リンお姉ちゃん!僕が魔法をかけてあげるね!」
「リン?僕と楽しい事しようか?」
「べ、別にリンの事なんか嫌いだからな!?」
「僕はリンだけの世界を作りたいんだ…」
「えへへ、リンちゃん今日も可愛いねー!」
「リーンたん!今日のパンツ何色なの?気になって寝れません!」
「リンはお前らの嫁じゃねぇからwww」
…このような感じでみんな性格が違います。だけどみんな世間で言う『リン廃』というのは共通。どうしてこうなったの…というかいつものレンは?
すると不意に服からグイグイと掴まれて引っ張られた気がした。私はそっちに目を向けると
「レン…?」
「うん、びっくりさせてごめん」
小さいけど顔付きがいつものレンだったのですぐ自分の片割れだと分かった。
「うわ!レンくんが小さくなってる」
「うっせクソネギ」
レンはミク姉に罵声を食らわすと私のを見た。私はレンに色々問いかけた。
「レン、どうして小さいの?というかなんなのあれ…」
「まあ、簡単に言うとオレが分裂したんだな、マスターがむやみに色んな曲歌わすからオレのメモリーに収まりきれなくなった、だから分裂した」
「うう…どうしたらいいの?」
私は泣きそうなのを必死に堪えながらレンに聞いた。レンは私の手の上に小さな手を置いて言った。
「とりあえず分裂した『鏡音レン』を捕獲してオレにメモリーを入れてくれれば元に戻るってマスターが言ってた気がする」
「それだったら戻るんだね!」
「うん」
とレンが頷いて私はやっと安心した。レンが戻ってくれれば一番安心するんだけど…
するとレンは私の頭に乗っかった。
「おい『鏡音レン』‼今すぐオレの体に戻って来い!みんなに迷惑かかるしオレも迷惑」
とレンは分裂した『鏡音レン』にそう言った。しかし…
「そんなの知るかよ!オレはリンと過ごしたいな」
「ちょっ!」
一人のレンが私の手を持ってその手にキスを落として言った。そして私を見てニッコリと微笑んだ。その笑顔がかっこよすぎて私も笑い返してしまった。イケてる言葉にイケてる笑顔…所謂イケレンだ。私がイケレンににやけていると忘れかけていたらおい、と通常レンに頭の上から呼ばれた。
「な、なに⁉」
「にやけてないでさっさと捕獲しろ…」
「どどどどうやるんだっけメモリーデータの仕方!」
「えーと…」
レンが説明してくれようとしたその時いきなり私に衝撃が来たかと思ったらぎゅっと抱き締められた。
「リンお姉ちゃん!変なお兄さんほっといて僕と遊ぼ!」
上から目線でキラキラし瞳で見つめられて思わず頷きそうになったけど必死に耐えた。ショタレンだ。
「ご、ごめんね…?今用事が…」
「やーだー!リンお姉ちゃんと遊ぶのー!」
「おいおいリンと遊ぶのはこのオレだぜ?な、リン」
「ちょっと待って話が…」
ショタレンに抱き着かれ、イケレンには手を掴まれて私はパニックだった。頭にいるレンは何してるの⁉助けてよこのヘタレ!
そんな時グイッと腰を掴まれていざこざから開放されたと同時に何かに鼻をぶつけた。私は何にぶつかったのか確認する為顔を上げるとやっぱり違うレンで彼は優しく微笑んだ。ぶつかったのものとはレンの身体だった。
「こんにちは、僕のお姫様」
「お、お姫様…?」
「 そう、リンは世界で一番のお姫様だよ」
私が首を傾げるとレンはふふっと笑いながら私を引き寄せた。うわあ…このレン大人っぽいけど、手の位置腰より下じゃありません?マセレンさん…。
「レン…もういいから離して…」
「リン体柔らかいね…オレ好きだな」
とマセレンは私の肩に顔を埋めた。ひゃああと私は思わず声をあげるとまたマセレンはふふっと笑ってきた。そうしていると
「ちょっとリンお姉ちゃんを抜け駆けするのはいけないんだよ!僕もギュッてする!」
「待てよ、オレだってリンを抱き締めたい」
とショタレン、イケレンはそう言うと私に抱き付いてきた。合計三人にくっ付かれている私は恥ずかしさと苦しさで頭がクラクラしていた。そんな時
「リンリンリンリンうるせえよ、よそでやれよそで」
遠くからぶっきら棒な声がした。声がした方を見るとイラっとした顔をしてメガネを掛けたレンがいた。
「マジオレはリンなんていなくてもいいし!リンがオレに好きとか言ったって別に嬉しくねえし!」
「レン…」
私は無理やり三人の中から這い出ると彼の側に歩み寄った。
「ねえねえ、本当に私の事嫌いなの?」
「き、嫌いだね!お、お前の事可愛いなんて事思ってないね!」
「かっわいい!」
「くっつくなバカー!」
私はレンに抱き着きながらププっと笑った。このレンはツンレン。反応が面白いな。私はもっと話しかけようとしたけど私の腰やら肩やらをガシッと腕が回されていた。
「リンお姉ちゃんまだ僕と遊んでないよー?」
「リン?君は悪い子だね…お仕置きしなくちゃ」
「おいリン、オレと言うカッコいいヤツをほおって置くなんてどうかしてるぜ?」
「というかオレから離れろよ!うっとおしい!」
まだこいつら懲りないなと思いながら私はここから逃げる為に必死に藻掻いたけどレン達の力が強すぎてビクともしなかった。半泣き状態になった私は助けを呼ぼうとした時、私にくっ付いていた『鏡音レン』から光が灯った。するとその光はみるみる内に私の頭にいるレンにへと向かって行った。
「『鏡音レン』4体捕獲なう」
「え?どうしたの?」
頭の上に乗っているレンに聞くとレンは溜息を吐いた。
「リンを囮に『鏡音レン』のデータ集めてた、『鏡音レン』と『鏡音リン』はデータは共通だからリンにくっつけばデータ処理が出来る、それでマスターにデータを処理してもらった、まあいっぺんに大量にデータ処理出来ないから4体だけだっけど」
「そうなんだ…でもレンの体戻ってないよ?」
「当たり前だろ?まだ5体残ってる」
レンは私から降りて指差した。私はレンの指差した方を見るとギョッとした。
「なんでよりによってこいつらが残ってるんだ…」
「レ、レン私頑張るからね!」
レンには元に戻って欲しいから…というかさっさと終わらせたいので私は嫌でも頑張る事にした。
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