あるとても晴れた日の事。
最近僕は季節の変わり目に気づいた。
この前まで体が凍えるほど寒かったのに、今では少し汗が出るほど暖かかった。
と考えながら僕は柵越しの近くで掃除をしていると、物置の影からひょこっと白い麦藁帽子を被ったあの子が姿を現した。
その子は僕に笑顔で手を振ってくれた。
「今日はいい天気だね。」
と僕は笑顔に答えるかのようにその子に言うと頷いてくれた。
「じゃあ手紙交換しようか。」
と言うとその子は自分を指差した。
僕は悟って
「君から飛ばしたい?」
と聞くとその子は笑顔で頷いた。
その子は僕に向かって柵越しから紙飛行機を飛ばした。
僕が受け取ると満円の笑顔になった。
その子は笑顔で僕に渡った手紙を見ていた。
「先に読んでいいの?」
と僕は聞くとその子はブンブンと頭を縦に振った。
僕は紙飛行機を開け始めた。
今日のその子の手紙は二枚重なっていた。
手紙を開けるとそこには…
桃色の木の絵が書かれていた。
多分その子が書いたんだ。
僕はもう一枚の紙を見た。
それにはぎっしりと文字が書かれていた。
『この木は《サクラ》って木らしいです。パパが本物の写真を見せてくれました。それでパパは《サクラはどこかの国にたくさん植えられていてこの時期にピンクの花が咲くんだ。》と言ってました。』
《サクラ》って言うんだ…。
僕は初めて見たサクラの絵を見た。
そして続きを読んだ。
『私、大きくなったら絶対サクラを見に行きたいです。一度でいいからその国に行ってみたい。できたらアナタと見たいです。』
「僕も…、いいの…?」
と手紙からその子に目を向けて言うと、その子はちょっと顔を赤らめながら笑顔で頷いた。
サクラを見に行こうと誘われた時もその子の中に僕もいる事がとても嬉しかった。
なんか自分の手紙の内容が小さく感じた。
「今日、僕書いてきてないんだ…。ごめん…。」
と僕は苦手な嘘を言うとその子はすごく残念がったので
「今度ちゃんと書いてくる!紙飛行機が飛ばないくらいたくさん。あと………」
「サクラ絶対一緒に見に行こう!!」
言った瞬間顔から火が出るほど恥ずかしかったが、その子は満円の笑顔で大きく頷いた。
僕もつられて笑った。
この約束は果たされるか分からないけど、僕は君を思っていられる日まで叶えられると信じていたいな…。
ずっと、ずっと…。
終わり
***********
拍手ありがとうございます!!
とても嬉しいし励みになります(*^o^*)
『飛行機雲と一輪花』の番外編なのですが、一応3章と4章の間の話だと思ってください><
この二人の約束が叶ってほしいな…。
本編の『飛行機雲と一輪花』もよろしくお願いしますo(^-^)o
本当に拍手ありがとうございました!!
Greas☆