短編集
□消えた彼女(中)
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「こんな奴ほっといてどこか行こっ!美雲」
「……は?」
今この男「美雲」って言った?
「鮎沢 美咲でしょ?」
確認のために聞いてみる
「やっぱりそうか…。」
彼女はため息をついている
なにがやっぱりなのかぜんぜんわからない。
「悪いが先に行っててくれないか?ちょっとこの男と話があるから。」
隣にいた男に言う
「わかった!じゃあまた後で。」
と、どっかへ行ってしまった
しかし話ってなんだろう。
「言い忘れたが、私は美咲じゃない。鮎沢 美雲だ!」
えっ!美咲じゃない!?
「じゃあなんで美咲の事知ってるの?」
「私と美咲はいとこだ!それにお前、碓氷拓海じゃないのか?」
びっくりした。急に俺の名前が出てきたから。
「お前や星華高校の事など美咲からいろいろ聞いたんだ。」
ふーん。
「それにお前にも会いたいみたいだぞ。美咲と電話するとき、絶対「碓氷」って名前が出ないときはないからな。」
えっ!嘘…
「ただ、どうしても会えない理由があるらしい…」
「理由って知ってる?」
「いや、それは知らない。」
会えない理由が思い当たらない。
「ねぇ、鮎沢の電話番号教えてくれない?」
「勝手に教えるのはいけないが……しょうがないな。」
そういって美雲は1枚の紙を渡した
「この紙に美咲の電話番号が書いてあるから。」
「ありがとう。」
「じゃあ私は用事があるからじゃあな!」
と言って行ってしまった。
プルルル…
「…はい」
鮎沢が出た
「鮎沢?」
「お前…もしかして碓氷か?」
半年経ってても覚えてくれてた。少しうれしい。
「うん。久しぶりだね鮎沢。」
「なんで私の番号を知っている?」
あーやっぱり聞かれると思った。
「駅の近くで美雲さんに会ったんだ。それで教えてもらった。最初鮎沢と間違えたけどね…」
「そうか…」
そして、鮎沢に一番聞きたい事を聞く