願い事を一つ

□-新神さんと魔法とランプ-
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<願い事を一つ・上>

いつか眠りし我が主、
また会う時は来るのだろうか。

*―*―*―*―*―*―*

あるところに、一人の少女がいました。

少女の名前は新神陽(あらかみひより)。
高校二年生、3月23日生まれのAB型。

平和に、平凡に、平穏に生きたいと願う少女でした。
しかしそれは難しい願いだったのです。


「はぁ…懲りないよねアンタ」

<うるせぇ!早く体寄越せ!>


陽はとても困っていました。
目の前にはボコボコに殴られた、陽よりも3、4歳年下に見える背の低い少年。
ムスッとした表情で陽を睨んでいる様子から、かなりご機嫌ななめという事が分かります。


「まぁうん、私も大人気なかったよ。悪かったって」
<そう思うなら体を寄越せこの野郎!!!>


そう言って、少年は陽に殴りかかります。
それはつい4分12秒前に起きた状況と全く同じ。
陽は溜息を吐いて立ち上がり…


ぽかん。
<ぎゃふん!>


漫画や小説ではよく聞くけれど、実際口には出さないような叫びを漏らし、少年は気を失ってしまいました。


「明日は新しい花持ってくるから…早く成仏しなよ」

そう言って陽は、今までいた公園を後にしました。

新神陽、17歳。
彼女は超霊感体質。

幽霊を見れる、
幽霊に触れる、
幽霊と話せる少女だったのです。
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