碧の本棚

□プチ同棲生活 一日目
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18:42
From:苗字名前
Sub:大ちゃん助けて〜!
Text:家の中が大変なのー…(´・ω・`)

18:54
From:澤村大地
Sub:無題
Text:取り敢えず今からそっち行くから待ってろ

こんなメールから約十分
俺ん家から自転車で近いのか遠いのか微妙な距離の幼馴染みの家に着いた



「んで?なんでこうなった」
『あのね、何て言うか…先週からお母さんが同僚さんたちと旅行行っちゃってて…』
「父さんは単身赴任で居ないから、お前一人でこうなったわけか」
『うん…』

今の家の状況を簡単に一言で表すならそれこそ正しく
ゴミヤシキ
食べ終わったインスタントなどのゴミが散らかっている

「料理はできなくても責めて掃除くらいはできるようになれ」
『してるよー』
「できてないだろ!」

拗ねたように頬を膨らませる顔はまだ少し幼さが残っている
二つ下といってももう高校生なんだからそろそろ大人になってもらいたいものだ…色々と
横の方でごちゃごちゃ言っている幼馴染みは放っておいて取り敢えずはゴミを片付けることに集中した
こんなことをしている俺は名前の幼馴染みよりは母親のようだ



「よし、粗方片付いただろ」
『さっすが大ちゃん!お母さんみたい!』
「俺はお前の母親じゃない!」
『あっそうだ!ね、大ちゃん!』

なんだかよく分からないが、名前が目を輝かせている

「何だ?」
『お母さんが帰ってくるまで一緒に住んでよ!』

……は?
いやいやいやちょっと待て、いくら年下の幼馴染みっつったって無理だろ!?
青春真っ盛りピッチピチの高校生だぞ!

「いやいや無理だろ」
『お願い大ちゃん!』

そんな潤んだ目で見ないでくれ

『…だめ?』

こいつ俺がこの目断れないの分かってやってんのかな…

「はぁ…母さん帰ってくるまでな」
『やったぁ!ありがとー!』





プチ同棲生活 一日目終了

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