鹿×炎
□#7
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信じられない事って
意外にも簡単に起こるものだ。
あたりまえのように。
いつもの気色の中に。
過ぎて行く時間と共に。
「....送信っと…」
震える指先で必死に伝った文章
どうしたらいい後輩に見えるのかな。
どうしたら気を遣わせないでいいのかな。
そればかりを考えて
気づいたら一文字も書いてないまま一時間。
呆れたキーが手を貸してくれて
なんとか作成。
キー曰く、
「先輩にメールなんて、今までだってあっただろ?なんでチャンミン先輩だけそうやって悩むんだ?」
って言われたけど
「前に一回話したから尚更いい奴に見せたいのかも。」
なんて適当に応えた。
キーは煮え切らない感じだったけど、
まあいい。
先輩と後輩。
そんなもん解ってる。
でも
貴方のメールを待ちわびる時間は、
他の何よりも永く感じた。
なのに、
待てど暮らせどケータイのランプは点滅せず、
貴方はとうとう返事をくれなかった。