鹿×兎

□雪の、
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雪の




酷く寒い夜を覚えているか。





お前はまだガキで

俺だってそうだったけれど、


お前よりはまだマシだったと願う







雪の降る寒い夜


俺は堪えられなくなって

お前に言うしかなかった


この想いと

切なさを


お前に伝えるしかなかったんだ


それしか術が無かった








『カラダだけでもいい。俺のものになってくれ。』






激しくなる鼓動

俺の体温

御前の体温



『カラダだけなら、いくらでもどうぞ。』




酷く哀しい

けれど俺に


確かにそれは投げつけられて




俺はどんな形でもお前が欲しくて


ただ欲しくて



















雪の

魔法のように

解けて行く体温




やわらかい肌

締まった腹筋




整った顔








時折みせる

我慢できないイキそうな表情






イけよ






もっと

イけ。













そしてその


雪のような御前の熱を

俺の顔にかければいい












そのまま















カラダごと俺に堕ちろ。














end

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