最強B型ブラザーズ
□2003〜2004
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翌日、両親たちにエールをおくられつつ、多くの荷物を持って、僕は家を後にして宿舎へ向かった。
荷物といっても、宿舎には既に家具やら最低限度の生活用品は揃えられているようなので、勉強道具や学校用品だけを持ち込むだけでだった。
ピンポーン、
マンションのエントランスの前で昨日教えられた部屋番号を入力してからインターフォンを押すと、「はいよー」という声が聞こえた。
「あ、チャンミンです」
そう答えると、エントランスへの自動ドアがひらいて、なかに導かれた。
エレベーターにのり、部屋の前に着くと、なにやら中でざわざわしている音がかすかに聞こえる。
ドアノブに軽く手を掛けると、ガチャリと音がしたので鍵がかかっていないことがわかった。
…ふつーに空いてるけど、大丈夫か?
ドアをあけて中に入ると、外の廊下で聞こえていたよりもいっそうざわざわとした声が聞こえた。
「ジェジュン、やっぱ寝室はいっこみたいだったよ。ベッドが五つ置いてあって…」
ガチャリとドアがあくと、ユノヒョンが頭をかきながら、誰かを探しているように言った。
あ、と僕の方をみて、ユノヒョンと目があった。
「ええ〜!いいじゃーん、皆で仲良く寝れるね!」
左奥の部屋でジェジュンヒョンのうきうきした声が聞こえた。
「ちゃんみな〜!」
ユノヒョンは目が合うなりニコニコして僕のほうへやってきた。
「よろしくお願いします。遅くなってすみません。」
ペコっと頭を下げると、ユノヒョンが甲斐甲斐しく僕の荷物を片手で持ってくれて、空いた手で僕の体を抱き締めた。
スキンシップスキンシップ…
いままで家族で抱き合うなどという習慣がない家庭だったためか、僕は男同士のスキンシップが苦手だ。女の子ならむしろありがたいですけど。
「荷物すくないね?あ、でも少ない割にはカバン重いなあ〜!」
ユノヒョンは体を離してにこにこして僕の顔を見つめた
「あ、勉強道具くらいですから、でも本が多いからちょっと重くなってるかもしれません。一人で持てますから大丈夫ですよ…」
「さすがチャンミン勉強熱心だね。えらいよ〜運んであげるから着いておいで!」
ユノヒョンはもう片方の手で僕の荷物をさらにもちあげて、スタスタと部屋に行ってしまった。
わあ。意外と人の話聞いてないなあ〜。しっかり者ってイメージだったからちょっと可愛いかも。
なんて思いながらユノヒョンの後ろについていくと、ジェジュンヒョンが右奥のドアからバタンっとでてきてた。
「わあっ」
「あ、お世話になります。」
「チャンミナ〜!!」
「わっ」
ジェジュンヒョンは美しくにこっとわらってから僕に正面から抱きついてきた。
「おかえり〜よろしくねー!あっは〜やっぱ可愛いなあチャンミナ〜」
僕の髪の毛を撫でながら微笑むジェジュンヒョンに、なんだか背中がぞくっとした。
「いや、そんなことないですから…」
スキンシップ強いな…しかも力強い。痛い。
両手をジェジュンヒョンの肩のところへおいて押し返そうとしたとき、
ピンポーン
ガチャ
「おっ、あいた」
大量の荷物を持ったジュンスヒョンが玄関から顔を出した。
ジェジュンヒョンと僕は互いにそのままの大勢で玄関の方へと顔を向ける。
「おわっ!」
僕らふたりを視線に入れたジュンスヒョンが眉間にシワを寄せた目つきになり、そのあとみるみる目が大きくなった。
「あ、ジュンス」
ジェジュンが言葉を発して、僕もやっとはっとした。
「ちょっと、ふたりなにしてるのー!?」