こんなに宮藤が可愛いわけがない

□私はカールスラント軍人だ!
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「ハルトマン!起きろ。」
朝の恒例となったハルトマンを起こすバルクホルンの声。もちろんこんなことでは起きない。さすが黒い悪魔。

「あと90分」
おそらく次は30分増えて返事をするだろう。
「おまえはそれでもカールスラント軍人か!」
「…うん」
「なら、起きろ。カールスラント軍人は規律を守れ」「しっかり寝るのも規律だよね」
そう言ってハルトマンは一度開けていた目を閉じた。「なっ、寝るな」ハルトマンに近づこうとしたが、下には服やら本やらとともかく何でも落ちている。お宝が出てきてもおかしくない。
「ごみ屋敷だ」
進行不能、撤退命令がバルクホルンの中で下った。
「はあ、クリスはもっと目覚めがいいぞ」
そう言ってバルクホルンは戦場を後にした。

「そう言う問題なのかなー」
閉じられたドアを見てハルトマンは呟いた。

「で、ハルトマンは起きてこなかったのか」
食堂でバルクホルンの向かい側に座っているシャーリーが呑気な声で言った。
「ああ、まったく」
「まあ、いいんじゃないか。少し遅れて起きてくるだけだろ」
「リベリアン、おまえも少しは緊張感を持て。」
そう言って目の前の大きな芋をフォークで差して口に運ぶ。
「あっ、それ」
食べようと思っていたやつを食べられてしまいシャーリーは近くの更に大きな芋を見つけてフォークに差す。
「まったくクリスに比べたら100倍以上、手がかかる」
「いや、妹と比べるなよ」
そこに蒸かした芋以外の料理を宮藤は持ってきた。扶桑の料理である。「バルクホルンさんは、本当に妹さん思いですね。」「ちがうよ宮藤。トゥルーデはシスコンなんだよ。」食堂の入り口にまだ眠そうなハルトマンがいる。
「ハルトマンさんシスコンって何ですか?」
宮藤にとっては初めて聞く言葉である。シャーリーはクスクスと笑いながら頷いている。
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