こんなに宮藤が可愛いわけがない

□一日姉妹関係
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さて、ハルトマンのむちゃくちゃなわがままによって宮藤はバルクホルンの妹となった。「ハルトマンのやつ、自分の料理を知っていて言ったな」
食堂を後にして、いや無理矢理宮藤と一緒に追い出されたと言ってもいい。
「さすがに、ハルトマンさんの料理は、もう…」
めったに料理に文句を言わない宮藤ですら言うハルトマンの料理。
バルクホルンは以前、鶏肉料理と言って真っ黒い粘土質な料理が出てきたことを思い出す。
「ああ、ところで宮藤、おまえは今日は何をするつもりだったんだ」
一応、ネウロイの襲撃はしばらくないようだ。なのでミーナが各自に休暇を与えている。もちろんネウロイの奇襲が考えられるため基地には基本的にみんないる。
「えーと、また街に出て必要な備品の調達を頼まれています」
宮藤がバルクホルンさんは、と問いかけた時に窓ガラスからもぐらのようにハルトマンが顔を出す。
「ダメだよ、宮藤はトゥルーデのことをお姉ちゃんって言わないと」
「でも、ハルトマンさん」
「そうだ、今日はお魚にしよう」
バルクホルンと宮藤の中で、ほぼ骨しか残っていない魚料理が出たことを思い出す。
「ハルトマン、おまえというやつは」
「ふふーん」
得意げに笑みを浮かべるハルトマン。
「分かった。宮藤、私のことをそう呼べ」
「いいんですか」軍曹と大尉という階級の差が宮藤を戸惑わせていた。「これは命令だ」いわゆるお姉ちゃん命令である。
「あっ、そうだ宮藤さ、備品を買いに行くときお菓子買ってきて」
「おまえは、もうひとつ目覚まし時計だ」
バルクホルンの言ったことを耳に入れずハルトマンは去っていった。
「あの、バルク…」
「ハルトマンのやつ、どこで見てるから分からないからな、その呼び方はまずい」
ハルトマンの姿はない。しかし、どこから出てくるかは未知数だ。さすがはカールスラントのエースである。
「分かりましたお姉ちゃん」
はっきりと言われるとクリスに言われているようでバルクホルンは嬉しかった。
「さて、レクリエーションルームに向かおうとするか」
「はい、お姉ちゃん」
宮藤も何となく面白かった。バルクホルンと上下関係はあるが、もっと仲良くなれるいい機会だと思ったからでもある。

その頃…。

このことはシャーリーとハルトマン、あとは当の二人だけの内緒になっているはずだったが…。
「芳佳ちゃんがバルクホルンさんのことを」
二人がレクリエーションルームに向かうところを壁に張り付くように隠れていた友達のリーネは見ていた。
まさに家政婦は見たである。
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