こんなに宮藤が可愛いわけがない

□友、悩む?
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「芳佳ちゃん」
ティータイムの時間。リーネは食堂で紅茶を淹れたりお菓子を用意していた。
「ん、ちょっとリーネさん、紅茶がカップから溢れていますわよ」
隣でティータイムの準備を手伝ってくれているペリーヌが慌ててリーネに声をかける。
いつもなら宮藤が手伝うのだが、今日はバルクホルンたちと備品を買いに出ている。
「えっ、あー大変」
ぽやーっとしていたリーネは慌てて近くにある布巾を取ろうとするが、他のカップに手が当たりひっくり返す。まさにドジっ娘の悪い連鎖である。
「何をしていますの、まったく…」ペリーヌは呆れながらもリーネと一緒に片付けを手伝う。
「今日のリーネさん少し変ですわよ」
「ごめんなさい」いつものリーネの癖である。ペリーヌは特に気にすることもなく話を続ける。
「レクリエーションルームの時からぽーっとしているように見えますわよ、もしかして具合でもよろしくないとか」
ペリーヌがそう聞くとリーネは首を横に振る。
「でしたら…」
「バルクホルンさんと芳佳ちゃんが」
「宮藤さん?」
豆狸こと宮藤。ペリーヌが付けたあだ名たが、最近は呼んでいない。
「バルクホルンさんのことをお姉ちゃんって…」
それを聞いてペリーヌの動きが止まる。突然の言葉、誤爆にも程がある言葉。
「大尉のことを宮藤さんが、そんなわけ」
ペリーヌは笑うがリーネの表情が変わらないところを見ると本当のようだ。
「わたしが、冗談を言っていると思いますか」
確かに、リーネは冗談をあまり言うほうじゃない。
「そうなるとどうして」
「良くわからないんです。レクリエーションルームに向かう二人を見つけたら…」
だからリーネの様子がレクリエーションルームから変だったのかとペリーヌは思う。しかし、どうして宮藤はバルクホルンのことをお姉ちゃんと呼ぶのだろう。「大尉の妹さんが宮藤さんに似ているでしたわよね」「ええ」
妹のことになるといつも完璧主義のバルクホルンは崩壊する。しかし宮藤に対して似ているだけで、特に仲が格段にいいわけではない。
「少し気になりますわね」
いつもならどうでもいいことには首を突っ込まないペリーヌだが、自分も気になるし何より友達が気にしているからには手伝うものだと、ペリーヌは思った。もちろんこの事はリーネには言わない。
「そうですね、それで…」
「きょ、今日は坂本少佐がいませんし、特にすることもありませんので付き合ってあげてもいいですわよ」リーネから視線を外して照れくさそうにペリーヌは答える。いつものツンデレペリーヌであった。
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