こんなに宮藤が可愛いわけがない

□夢か現実か
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朝、宮藤とリーネはいつものように朝ご飯の用意をするため早くから食堂にいた。
「ねぇ芳佳ちゃん」
リーネが野菜を切りながら宮藤に呟くように話しかけた。
「ん?なにリーネちゃん」
リーネとしては気づいて欲しくなかったと心のどこかで思った。しかし、宮藤と二人だけの食堂、今聞かなくてはチャンスはないかもしれないとやはり心のどこかで思う。
「昨日、ね」
中々言えない。それはそうかもしれない。宮藤がバルクホルンのことをお姉ちゃんと言ったところを目撃した。ても事実なのに今になって空耳かもと思ってしまう。
「どうしたのリーネちゃん」
「あのね、そう昨日のどんな紅茶買ってきたのかなって」
「ごめんね、昨日渡さなくて、えーとね、林檎の紅茶があってそれにしたの」
「そっかぁ、アップルティーも林檎の香りいいんだよ」
結局本当のことを言えない自分に内心ため息が出る。宮藤の買ってきたアップルティーは嬉しかった。
「えっ、林檎の味はしないの?」
てっきり林檎の味がするのかと宮藤は思っていたらしい。
「さすがに林檎の味はほんの少しはすると思うよ」
リーネは微笑みながら宮藤に言う。宮藤もそっかと言って笑う。

二人がそんな話をしているとミーナと坂本が食堂に入ってくる。
宮藤とリーネは二人に挨拶して再び朝食の準備を進める。

リーネは結局、自分の言いたいことを言えなくて、いつもより宮藤が気になった。
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