こんなに宮藤が可愛いわけがない

□姉の思い、妹の思い
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その夜、作戦会議室ことブリーフィングルームに501の全員が集められた。

「さて、みんな集まったわね」
みんなが座っている席の一番前に立つ。
「なんだろう」
バルクホルンの右隣で宮藤が疑問の表情を浮かべている。
バルクホルンは知っているが何も言わない。
「さあな、明日のことだろう」
バルクホルンはそう言って左隣を見る。
「……サーニャはエイラと一緒じゃなくていいのか」ちょこんとサーニャがバルクホルンの隣に座っている。机には以前エイラが宮藤に頼んだ枕がある。
「うん、エイラも後ろにいて話せるから」

その後ろでエイラが猛犬の如く唸っている。バルクホルンは見ないようにミーナの方を見る。
「エイラはサーニャンが隣じゃなくて唸っているの?」
エイラの隣でダラーっとしたハルトマンが言う。
(余計なことをいうなよ、ハルトマン!)
今のエイラは空腹時の熊だ。余計なことはしてほしくない。
「だって、サーニャ〜が」
目の前の席に座るサーニャを見てエイラは涙目になる。

「明日のピクニックですが……」

今日の朝に聞いたことをミーナは話す。ピクニックという名のネウロイ調査。大型ネウロイ、偵察型ではないか、そしてネウロイであるはずなのに逃げるというところ。
「したがって、ネウロイの調査はしますが、出撃はしません、あくまで調査です」
ミーナはそう言って一度手を叩いて話を終了し、各自解散とする。

「う〜訓練あるんだぁ〜」
隣で宮藤が無念の声を漏らす。
「そう嫌がるな、訓練以外は自由と言ってもいいんだから」
ネウロイに攻撃姿勢が見られないと先ほどミーナが言っていた。
「そうだね、お姉ちゃんと遊ぼう」宮藤がバルクホルンに抱きつくと左隣にいたサーニャも抱きつく。
「待て、二人とも他のやつの視線が…」
ミーナと坂本少佐はすでに部屋を後にしている。
リーネが頬を赤らめてチラチラとこちらを見る。
シャーリーとルッキーニは面白そうに見る。
ペリーヌは見ていられないといった感じで早歩きで部屋を出る。

そして……。後ろでよりいっそう唸りをあげていつでもかぶりついてやると言わんばかりのエイラ。

「よかったねトゥルーデ、これでクリスもいたら嬉しいね」
ハルトマンもシャーリーと同じで面白そうに見ている。
バルクホルンは嬉しいというか、よく分からない。しかし悪い気分ではなかった。

(エイラ、すまない)
一応これだけは思った方がいいだろう。
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