こんなに宮藤が可愛いわけがない

□帰ってきた私たち
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朝、その日いい天気だった。絶好の訓練日和である。
しかし、まだあいつは起きないのかと私はため息をつきながら、毎朝恒例の場所に来る。
「起きろ、ハルトマン!」
ノックなどせずにドアを思いっきり開けて渡したは叫んだ。こうでもしないと起きないやつだ。たまにこれでも起きないが。
「あと、720分」
「それではもう夕方だ、とっと起きろ」
面倒くさそうにハルトマンは起き上がる。でも目は寝ている。
「はあ、まったく、早く起きてこいよ」
私は扉を閉めて先に食堂に行った。

ハルトマンが来たのはそれから少ししてからだった。いつもなら二度寝してお昼まで起きてこない。
「珍しいな、早く起きたのか」
「トゥルーデが起こしに来てくれたからね」
「いい加減、自分で起きろ、それでもカールスラント軍人か」
「へいへーい」
今日の朝ごはんはペリーヌとリーネだった。
私の向かい側に座っているのは宮藤だった。
「どうかしましたか、バルクホルンさん」
「いや、なんでもない」
宮藤を見るとついあの事を思い出してしまう。芳佳と言わないように気をつけなければ。
「なに、トゥルーデは宮藤のこと気になるの」
ハルトマンがからかうように言う。
「別にそんなわけないだろう」
「どうかな〜前やったあれだって結構嬉しそうだったし」
「もう、あれは勘弁してくれ」
宮藤は首をかしげる。私はスープを飲みながらハルトマンを見る。

本当にハルトマンが親友だったからこのもとの現実に戻ってこれたのだと私は感じた。

朝食のあと、飛行訓練があるのを思い出した。
「おい、ハルトマン、今回の飛行訓練のパートナーだったな」
「今回っていうより、いつもね」
「そうだな、頼むぞ」
「まかせてよ」
互いの笑みはこれからも親友であり、良きパートナーであるという証拠なのだろう。
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