短編モノ


□会いたくて
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ここはカールスラント、第501戦闘航空団はガリアをネウロイから解放したことにより解散。各隊員前所属の部隊へと戻っている。
エイラとサーニャはスオムス、ペリーヌとリーネはガリア復興に、シャーリーとルッキーニはリべリオンへ、そしてミーナ、バルクホルン、エーリカもまたカールスラントへと戻ってきている。
決して楽な場所ではないカールスラント。ネウロイの侵攻も絶えない。そんな中三人はほんのひと時休みを手に入れていた。
「ねぇーお腹減ったぁ〜」
「えーいエーリカ、おまえはごろごろしているだけだろ、もうすぐ原隊に戻るんだ、そのたるんだ生活習慣をどうにかしろ」
エーリカに料理をさせてはいけない。これは501にいた時の命令であり、今でも継続して続いている。せっかくの休み妹のクリスと過ごそうと思ったのだが、ほとんどがエーリカとの三人の生活である。
「じゃあお菓子くれたら本気出すよ」
「それは一カ月前から聞いている」
「じゃあお菓子くれたらやる気出す」
「同じだろ」
こんなやりとりが毎日行われている。空では天才、地上ではずぼらなエーリカは今も健在だった。
「もう〜クリス、お菓子ちょうだい〜」
「クリスやらなくていいからな」
エーリカと一緒にソファに座っているバルクホルンの妹、クリスは微笑んだ。こんな笑顔を見るのもしばらくぶりだった。病院で目を覚まさない日々が続いていた。それと一緒にバルクホルンの心も塞がりネウロイとの戦いだけに固執していた。そんな時である。扶桑から新人がやってきた。彼女がバルクホルンを変えたと言ってもおかしくなかった。彼女がいたからバルクホルンはこうやって今も生きていると感じている。そしてクリスも助けてくれたような気がしてならなかった。
「クリスのお姉ちゃんは厳しいね」
「でも優しいよ」
そう素直な言葉を言うクリス。
「クリスは偉いな、全くエーリカも私のいもうとに……」
「ねえご飯は〜」
「話を聞け」
「ムリダナ」
エーリカは同僚の不思議ちゃんのまねで両手の人さし指でばってんを作る。バルクホルンは大きなため息をついた。いつもエーリカには勝てない。謎の疲れが身体から湧いてきたのでエーリカの言うとおりご飯を作ろうと思った。
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