魔の預言者 本
□第八話
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〜上空〜
『…なぁボティス。オレ今思ったんだけど、このままじゃしえみが祓魔師(エクソシスト)になる覚悟で気なくね?』
《今さら戻れないよ》
『ラウムの言ってる事は分かってるんだけど、このままだと物語が…』
《どうせお前が来た時点で物語は壊れている。心配しなくても主流は変わらん》
『そーかよ…』
なんか複雑な心境だ。ま、成るようになれだ。
〜翌日〜
「アインス・ツヴァイ・ドライ☆ 無事全員候補生(エクスワイヤ)昇格…!おめでとうございま〜す❤」
合図とともにクラッカーが鳴る。
「お…おお〜〜しゃ〜!」
「よ…よかった!」
「やった〜」
あちらこちらから歓声が上がる。
「フフフ… では皆さんの昇格を祝して… このリッチな理事長である私が皆さんに… もんじゃをごちそうします☆」
「もんじゃかい!!せめて焼き肉」
『どこがリッチなんだよ』
皆の批判を無視し、メフィストはもんじゃ焼きの店へと皆を案内した。
…そして、オレが心配していたしえみの件だが、何だか解らないが、ボティスの言うとおりになっていた。
「ネイガウス先生の件は申し訳ありませんでした。まさか先生が私情に走るとは思っていなかったものですから…。
今後このような事はないようにしますよ」
今はメフィストから今回の件について“雪男が”説明を受けている。オレは盗み聞きだ。
「…宜しくお願いします」
「先生ェ、ラムネでええですかぁ?」
「はい、じゃあラムネで」
雪男は呼ばれてその場から立ち去って行った。…この後が、重要なんだ。メフィストが携帯を取り出し、“ある者”へ電話をかける。
ピッピッ
プルルルル… プルルルル… プッ
―「ハイ」
「私だ。操り人形(ネイガウス)は私の言うとおりに動いたが、やはり荷が重すぎたようだ。お前はすぐ正十字学園へ来い」
―「……僕は兄上の結界で学園に入れません」
「操り人形(ネイガウス)に手引きさせる。詳しいことはまた後だ。いいな」
―「…解りました」
『“止”』
電話を切り、そのまま中へ入ろうとするメフィストを言葉で止めた。その場から動く事が出来ないメフィスト。
「…一体何のマネですか?」
『何のマネ…?それはオレのセリフだ。お前、今“アマイモン”と通話してやがったな。…何を命令しやがった』
「おや、貴方様には全て見透かされていますか。それはそうですね。
何せ貴方様は…『それ以上無駄口を開くなら、オレはお前を殺す』おお、怖い怖い…」
両手を上げて降参のポーズをとるメフィスト。
「大丈夫です。もう知っておられるのでしょう?貴方様のお仲間を傷付けるようなことはいたしませんよ」
いつの間にか“止”を解いたメフィストはもんじゃを食べに中へとはいって行った。
『(クソ野郎…)』
イガイガした気持ちを持ったまま、メフィストに続き中に入って行った。
そして腹いせにとメフィストが好きなもんじゃを全て食ってやった。ざまぁみやがれ、クソピエロ。