魔の預言者 本

□第十三話
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ベットに横たわる燐の頭に中に浮かんでいるのは、これまで起こった出来事。




メフィストとの出会い

シュラに言われた言葉

アマイモン…自分よりはるかに強い奴との戦闘





「………(だ――ッ!くそッッ、眠れん…!!!)」



掛け布団を勢いよく引っぺがすと、部屋の出入り口に向かう。



《りん、またそとであそぶのか。おれもいく!》


「静かにしてろよ…雪男、寝てるとこ起こすとコエーから」



付いてくるクロにそう言いながら、部屋を出た。
…とうに雪男は、起きていたが。










やってきたのは正十字学園町を見下ろせる建築物の上。



「(俺のちっぽけな頭じゃ…いくら考えたって答えなんかでねーんだ)」



手に握っているのは、シュラに刀の代わりに渡された木刀。



「(…今、俺にやれることは…)クロ!今日もまた俺と遊ばねーか?」


《うん!あそぼあそぼー!》



途端、巨大化するクロ。



《いくぞ――!》


「来い!(とにかく、頭バカにして前に進むだけだ)」



その夜も、燐とクロの遊びが行われた。










〜翌日〜





「(いやー、何とか高等部の方も一学期無事終了だよ)」


『…昨日もまた夜更かししただろ、燐』


《また修行ー?》


《コイツ、懲りないな》


「……まー、うん」


「奥村くん!如月さん!」



海に睨まれていた燐は、すぐさま呼ばれたほうへと顔を向けた。



「子猫丸!(ナイスタイミング!!)」


「塾やなく高等部で会うの、初めてやねー」


「終業式終わったら“正十字中腹駅”に集合やろ」


「奥村くんと如月さんも一緒に行こ」


「うん」


『おう』


《なにしに行くの?》


『林間合宿だ』


《人間はそういうものが好きだな。我には理解が出来ん》


『オレは好きじゃねぇよ』



右肩にゼル、左肩にはフェンリルが乗っている。
学校ではこいつらはカバンの中で大人しくしていてもらっていた。



「その使い魔、如月さんの?」



子猫丸に指さされていたのはフェンリル。



『ああ、最近仲間にしたばっかだ』


《貴様、我に指をさすなど1000年早いわ…!消し炭にしてくれよう…》



物騒なことを言っているフェンリルを抱えて落ち着かせる。周りの生徒の視線が痛い…



「ほんと、手騎士(テイマー)の素質あるんやね」


『まあな』



雑談をしていたら、前の方から出雲に呼ばれたため、急ぎ足で向かった。




  
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