魔の預言者 本
□第十五話
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『やめろ!もういいだろ!オレが本気で戦えばいい話なんだろ!?』
そう叫んだ海は、ブレスレットから三叉槍をとりだした。当然青い炎が灯る。
『何でオレが竜士達に深く関わろうとしなかったか。これが訳さ』
「青い、炎…だと」
「兄さん!海!!」
聞こえてきた雪男の声。ふと燐の方も見てみると、彼も降魔剣を鞘から抜こうとしている最中だった。
「これは罠だ!せめて兄さんだけでも………誘いに乗るな!」
「雪男わりィ…俺、嘘ついたり誤魔化したりすんの…向いてねーみてーだな。それに、海もなっちまったし…」
鞘と柄に手をかける燐。
「俺は…」
抜いてしまった。途端、アマイモンの手から竜士が解放される。
『「来い!!相手は俺/オレだ!」』
2人してそう叫べば、アマイモンは簡単に来てくれた。
『ゼル、フェンリル、アムドゥスキアス、ボティス、フラウロス、マルコシアス、ラウム!!』
名を呼べば現れる使い魔達。頭上では燐とアマイモンが戦っている。
『アムドゥスキアス、竜士達に被害が及ばないよう植物でカバーしろ』
《御意》
一度頷くと、竜士達のもとへと降りていくアムドゥスキアス。
『ラウムとマルコシアス、ゼルは魔法円内に居るはずのしえみ達のもとへ。たぶん居ないだろうから周辺を捜索しろ』
《分かった》
《しかたねーな》
《行ってくる!》
この3体もすぐに向かってくれた。
『フェンリルとフラウロスはオレの援護を頼む。流石のオレでもアマイモンとは力の差が大きすぎる』
《任せておけ》
《チッ、めんどくせーな》
フェンリルはすぐに本来の大きさに戻り、フラウロスもめんどくさそうにしながらも口元に火の塊を作り始めている。
『行くぞ!』
その合図とともにフラウロスは火玉を放ち、フェンリルは上空へと跳び出す。
《やったか?》
フラウロスの火の玉は確実にアマイモンにあたったはずなのだが…
「おやおや?なんか増えてますね?」