疾風迅雷 本
□第2Q
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〜月曜日 8:40〜
「フッフッフ、待っていたぞ!」
指定された時間ピッタリに、黒子、火神、真琴、ついでに出しに来た一年生達は屋上にいた。
「……アホなのか?」
「決闘?」
『喧嘩?』
「つーか忘れてたけど…月曜って、あと5分で朝礼じゃねーか!」
確かに校庭には既に並び終えた生徒達が居た。
「とっとと受け取れよ」
「その前に一つ言っとく事があるわ。去年主将にカントクを頼まれた時約束したの。全国目指してガチでバスケやること!
もし覚悟が無ければ同好会もあるからそっちへどうぞ!!」
「…は?そんなん…」
「アンタらが強いのは知ってるわ。けどそれより大切なことを確認したいの。
どんだけ練習を真面目にやっても“いつか”だの“できれば”だのじゃいつまでも弱小だからね。
具体的、かつ高い目標と、それを必ず達成しようとする意志が欲しいの。
んで今!ここから!!学年とクラス!名前!今年の目標を宣言してもらいます!
更に出来なかった時はここから今度は全裸で好きな子に告ってもらいます!」
「え"え"〜〜〜!!?」
「…は?」
『リコ先輩、僕も全裸で告白ですか?』
「そうね…、真琴ちゃんは…コスプレして一日練してもらうわ!」
『(よかった、全裸じゃない…)』
「(はぁ!?聞いてねー)」
「(いや、勧誘の時言ってた…!)」
「(けどまさかここで…!)」
「さっきも言ったけど、具体的で相当の高さのハードルでね!“一回戦突破”とか“がんばる”とかはやり直し!」
無茶なことを言ってくるものですね。でも、出来ないことではないです(コスプレは絶対嫌です)。それに火神君も僕と同じようです。
「ヨユーじゃねーか。テストにもなんねー」
柵に飛び乗ると、火神は下に居る生徒達に向かって叫んだ。
「1−B 5番!火神大我!
“キセキの世代”を倒して日本一になる!」
「!?」
「びっくりした――」
「ナニアレ?」
「よくやる―」
「(うっわ、やっぱ今年もやった)」
下の生徒達は一気に騒がしくなった。去年のことを知っている者は“またか…”と言っていた。かく言う主将もその一人だ。
去年のことを思い出し冷や汗をかき、他の部員達と目配せをし合った。
「次は―?早くしないと先生来ちゃうよ?(ってアレ?黒子君も真琴ちゃんもダメ?)」
『次、言ってもいいですか?』
「え、あ、どうぞ…?」
柵に乗るまではしないが、手をついて息を吸い込む。
「同じく1−B 25番!宝城真琴!
僕を倒せる実力を持った相手と戦いたい!
そして、誠凛を日本一に導く!」
終わった途端ゲホゲホと咳をする真琴。その背を擦る黒子。
「……すいません。ボク、声張るの苦手なんで、拡声器使ってもいいですか?」
「…いいケド」
何処から取り出したのか、拡声器片手に息を吸い込んだ瞬間、屋上の扉が開いた。
「コラー!!またかバスケ部!!」
「あら今年は早い!?」
…その後、朝礼中ずっと未遂の者も含めて先生に説教をくらった。正座でやるもんだから足が痛くてたまらなかった。