疾風迅雷 本
□第11Q
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「あっ!!いたー!もう!!」
帰りの支度をしている最中、後ろからリコの怒鳴り声が聞こえた。
「火神君、一つだけ聞かせてください。あの話を聞いてましたか?」
「決別するとかしないとかか?てゆーかそれ以前にオレ別にお前と気ィ合ってねーし」
リコの走ってくる足音が大きくなってくる。
「一人じゃ無理だって言ったのはおめーだろ。だったらいらねー心配すんな。…それに」
黒子のほうを向き、真剣な眼差しでこう言った。
「いつも光と共にある。それがお前のバスケだろ」
「…火神君も結構……言いますね」
「うるせーよっ」
『それに、そこだけ聞いてると○Lに聞こえますよ』
「黙れ!!」
「真琴……」
『ヒッ!?ご、ごめんなさい』
黒子の 絶対零度の眼差し 真琴は ∞のダメージを 受けた!
真琴は 瀕死になった!
そんなテロップが聞こえてきそうだ。
「捕まえたわよ黒子君!!」
「うっ!?」
いいタイミングでリコが後ろから黒子を押し倒す。
「逆エビの刑よ!!覚悟しなさい!!!」
「うっ!?ちょ、くる、し…!」
「…まぁ、頑張れ」
「か、かがみ、く…ッ」
火神は無情にも荷物を持って公園を出て皆と合流してしまった。
『テ、』
「助けたらコスプレさせるわよ真琴ちゃん」
『う…』
真琴が助けようと手を伸ばした途端リコから言われた死刑宣告。
『(助けたらコスプレ助けなくてもテツに殺される…!)』
真琴としてはどちらに転んでも死刑決定だ。
『…すみませんテツ。コスプレは…』
「な…」
「ああ黒子君。真琴ちゃんに手ぇ出したら………どうなるかわかってるわよね?」
怯える真琴を見かねたリコは釘を刺した。それにほっとしたような表情で真琴は火神の後を追っていった。
〜同時刻〜
「漸く会えるなぁ…真琴」
水色のショートヘアの男か女かわからない中性的な顔つきの人物が、誠凛高校の前に佇んでいた。