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□標的53
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「それがボンゴレと同盟の首脳が立てた作戦だ。我々も足並みをそろえてこの作戦に参加する必要がある」
「5日後ってすぐだな…」
「だがこの機を逃すと、次にいつミルフィオーレに対し有効な手立てを打てるかわからんのだ」
「オレ達のアジトだっていつ見つかるかわからない。早くて悪いことはない」
「確かにそうだが…オレ達の目的と何か違うような」
『いーや、同じだよ。僕たちの目的は入江正一を倒すこと。入江正一はミルフィオーレにいるんだよ?』
「…だが…」
「了平がクロームを連れてきたことで、オレが出した最初の条件もクリアしたしな」
「条件?」
「守護者集めっスよ、10代目!!」
「そーいや確かに…」
いつの間にやらそろっている。
「よほどみんなの日頃の行いがいいんだな」
「バカか!!ノーテンキな言い方すんな!!」
山本には散々怒鳴った後、くるりと後ろを向き、態度を一変して綱吉を見る。
「ボンゴレの守護者としての宿命が、オレ達8名を引き合わせたんスよ」
「(うわ、照れずに言いやがった)」
『(いっつも思うけど、この態度の違いはすごいよなー…)』
「まぁ、他にも話すことはいくつかあるがそれは後だ」
ちょっぴりのんびりムードになっていた雰囲気を一気に変える了平。ここ10年で成長したことの一つだろうか。
「確かにこの作戦はボンゴレの存亡をかけた重要な戦いだ。だが決行するかどうかはお前が決めろ」
「…それはオレが次期10代目だからか?」
「そうだ。だがそれだけというわけでもない」
?を飛ばす綱吉に了平は続ける。
「現在、ボンゴレ上層部は混乱しているし、10年前のお前たちを信用しきったわけではない。
ヴァリアーも、あくまでボンゴレ9代目の部隊という姿勢だ。お前の一存で作戦全てが中止になるようなことはないだろう」
確かにあのヴァリアーが綱吉直属部隊と名乗るわけがない。
「だが、このアジトのことはここの主であるボンゴレ10代目が決めるべきだと極限にオレが言っておいた!」
「(…お兄さん…)」
「でかくなったな、了平」
「それに…月城」
『はい?』
「お前は確かにボンゴレの守護者だが、それ以前にドゥラドのボスだ。この戦いにドゥラドが関わるかは自己判断だ」
『はい……分かってます』
黙り込む僕らを見かねてか、先輩はこう言った。
「期限は本日中だ」
それは長いようで短い制限時間。
「中止の場合は首脳にオレが伝えに行く。しっかり頼んだぞ、沢田」
「…ああ、分かった」
やっぱり原作と違う綱吉だと、ちょっとなんか変な感じがする。
「師匠の話はまた…」
「!」
「さーて、オレは極限メシ食って寝る!!」
「な!!」
呼び止める声も聞かず、了平はさっさと部屋から出て行ってしまった。
「…リボーン」
「ボスが情けねー声出すんじゃねぇ。まずは5日後にお前の納得できる戦力を確保できるか考えるんだ」
「5日後に予想されるクローム髑髏の状態と、お前達の修行の仕上がりだな」
「だな。戦いになるんだし」
『あ、その件なんですけど、僕にはだれか付くんですか?』
「お前は沢田と同じだ」
『分かりました』
「なーに、修行についちゃオレ達が何とかするって!な、獄寺っ!!」
「………あ、ああ。任せてください、10代目!!」