理想と真実 本
□第二話
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「それではレイン対N…始め!!」
『先行どーぞ』
「じゃあお言葉に甘えて…チョロネコなきごえ」
『レイキ、耳塞いで(そーだアイツ、チョロネコっていうんだった)』
チョロネコの鳴き声を聞かないようにするため耳をふさがせる。しかし、これで自分の声がレイキに伝わらなくなってしまう。
そこを突いてNは攻撃を仕掛けてくる。レインはフードを深くかぶり顔を、特に目が見えないようにした。
「チョロネコ、ひっかく」
『レイキ、水鉄砲』
「耳は塞いでいたはずなのに指示が伝わった!?」
チョロネコはレイキの水鉄砲で吹っ飛ばされる。ダメージは大きいはずだ。
「チョロネコ、もう一度ひっかく!」
『次で決める。レイキ、シェルブレード』
お互いの技がヒットし、ダメージをくらう。しかし、そこに立っていたのはミジュマルだけ。
Nのチョロネコは地面に倒れてた。
「勝者、レイン!!」
『勝ったからここは通してもらう』
駆け寄ってきたミジュマルにオボンの実を食べさせ、ボールに戻すと、Nの横を通り過ぎた。
『んじゃべル、案内ありがとな』
「ううん、気にしないで。また会えたらいいね!!」
『そうだな』
「あ、ちょっと待って!Cギアって持ってる?」
『いや、ねぇけど』
「うーん、あ、じゃあこれ!」
はい、と手渡されたのは数字が羅列している紙。
「私の番号だよ!後で登録しといてね!!」
そのままベルとも別れ、そのままカラクサタウンを後にした。
ベルはカラクサタウンでポケモンを休ませ、周辺の草むらでポカブのレベルを上げてから行くと言っていた。
『(あのNって奴、なんか嫌な雰囲気がしたな。もう関わらない様にしておこう)』
《(オレもそう思う。あいつは妙な感じがする。てかさっきのバトル、お前力使っただろ。簡単に使うんじゃねぇよ…バレたらどうすんだよ)》
『(そんときはそん時で考える)』
《(ハァ…)》
『(ほら、早く行くぞ。次にいくサンヨウってところはジムがあるらしいから楽しみだ。ここのジムリーダーがどれほどの実力なのか見てやるか)』
《(お前の顔見た途端震えそうだがな)》
『(大丈夫だ。オレの顔を見た奴はここではアララギぐらいだ。たぶん誰も知らない)』
《(どうだかな。スイクンを連れているトレーナーってのはお前ぐらいだろうからバレるぞ。きっと)》
『(だったらボールの中に入ってくれよ。そうすればバレない。楽しめるだろ?)』
《(オレはあん中(ボール)が嫌いだ。絶対に入らない)》
『(言うと思った)』
《(なら言うな)》
心の中でたがいに言いあい、喧嘩しながら進んでいったにもかかわらず、着くのは案外早かった。
途中バトルを挑んできたトレーナーもいたのにだ。そこは二人に足の速さを褒めておこう。
=サンヨウシティ=
『結構広いとこだな』
もうすでに目はもとの色をしている。それでも大型のポケモンであるスイクンを連れているためレインは目立っていた。
『ジムはどこだ?スイラ』
<グイグイ>
スイラに道案内を頼み、ジムの前までやってきた。のだが…
「只今ジムリーダーは留守にしておられます。きっとトレーナーズスクールにいるのだと思います。
トレーナーズスクールはここの隣です。呼んできて下さい」
ジムの前に人が立っていて、ジムリーダーは不在だと告げた。
自分のジムをほったらかして学校行ってるとか馬鹿なのか?ここのリーダーは。
………ってなことは口が裂けても言えないので
『そうか。分かった…チッ』
とだけ返しておいた。レインは渋々隣の建物の中に入った。中に入ればいっせいに視線が集中する。何だ、オレの事見てなんか楽しいか。
『この中にサンヨウジムのジムリーダーはいるか。挑戦したいから早くジムに戻れ』
「…ああ、僕だよ。君が挑戦するのかい?ごめんねいなくて。すぐに準備するからね」
『早くしろ』
「じゃあジムで待ってるね」
スクールの入り口で言えば、何処からかリーダーと名乗る緑色の髪の男が近づいてきた。
そいつは謝るとそのまま出て行ったので、それに続いて出ようとしたのだが…
「ねえ君。僕とバトルしない?」
また遮られた。
『オレは今からジムに挑戦したいんだ。また今度にしてくれ』
「僕、ここのジムリーダーに勝利してるんだよね。だから腕慣らし的なのでどう?」
『オレは暇じゃねぇんだ。そこをどけ』
「なに?今からジム戦するって言うのに、僕を倒す自信ないの?」
『チッ……分かったよ。1対1で終わりな。オレも暇じゃないんだ』
本当に何なんだ。Nといいこいつといいオレの邪魔をするのが好きなのか?
「ありがとう。僕はチェレン。君は?」
『オレはレイン。おまえ、もしかしてベルの言ってた幼馴染か?』
「ベルを知ってるのかい?」
『カラクサで会った』
「そう。じゃ、始めようか」
てなことでオレのここにきてからの二戦目が始まった。