理想と真実 本

□第三話
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〜数日後〜





『今度は何か古そうな街並みだな』



シッポウティについたレイン達。確かに街並は古そうにも見えない。
大きな倉庫に、しかれているだけで使われていない線路。しかもすべて茶色っぽいときた。



『博物館に行ってジム戦するか』


《もうするのか…気が早いぞ》



いろいろと面倒くさいので、力は開放しっぱなしだ。もう戻す気もない。このほうが楽なのだ。
…目の色が変わったままなのはいろいろと大変だが。
(小さい子供に泣かれるし、大人には気味悪いモノを見ているような眼でみられる)



『先にやった方が後でゆっくりできるだろ?それにここのジムリーダーはどうなのかが知りたいしな』


《ハァ、本当にお前は…》



スイラの制止を無視し、博物館に向かう。今思えば、この言葉を聞いてポケモンセンターでも行っておけばよかったんだ…










『んでまた居るんだよ…』


「やあ、またあったね。レインちゃん」



今、レインの目の前にはこの前カラクサタウンで出会ったばかりのNがいた。
スイラはまるで会う事が分かっていたかのように、ため息をついている。



『……何の用だ。用がないならそこをどけ』


「用ならあるよ。また君とバトルをしに来たんだ」


『前もやっただろう。それにオレ以外にも強い奴はいっぱいいるだろうが』


「ボクはレインちゃんと戦いたいんだよね」


『…バトルすればいんだろ?さっさと済ませるぞ。それとオレの名前にちゃんを付けるな。気持ちわりぃ』



Nの押しに負けて(てか、煩いし、面倒だから自分から引いた)バトルの申し込みを受ける。
そのままバトルフィールドに移動すると、直に自分の立ち位置につき、ボールを投げる。



『頼むぞ、ウォン』


《いいですよ…というか、またこの方ですか?》


『なんかオレと戦いたいんだと』


《そうですか…まあ、僕の経験値を貯めるための土台となってもらいましょう…》



小声でウォンと話してから、フィールドに行かせた。てか、なんかウォンが黒くなっているのは気のせいだろうか?
Nもポケモンを出し、準備が整う。



『さっさと始めるぞ』


「分かったよ。先行は貰うよ?」


『勝手にしろ』


「じゃあ…マメパト、にらみつける」


『…』



睨みつけるをくらってしまう。こいつ、前よりは腕を上げているようだ。
適当にやっているとこちらが負けてしま……いや、そんな事は絶対にあり得ないな。



『前より強くなってないか?』


「ボクもだてにトレーナーやってないからね」


『お前の事甘く見過ぎてたな。今度はこっちから行くぞ。エアスラッシュ』


「避けろマメパト」



素早さを上げたのか、かなり早くよけられてしまう。面白くなってきてレインは表面上笑った。



『もっと、楽しませてくれよ…ブレイブバード』


「!!」



マメパトは倒れた。そして、本来ならブレイブバードは自分も反動でダメージを受ける技。
しかし、レインのワシボンがダメージを受けた様子はない。



「キミのワシボン、反動を受けないのかい?」


『いいトコに気がついたな。その通り、オレのワシボンは反動を受けない』



特体質なワシボンを捕まえたものだ、と心の中で呟く。これは、これからいろいろと使えそうだ。



『もう終いか?』


「いや、まだだよ。いけっオタマロ」



出てきたのはオタマジャクシに似たポケモン。図鑑で確認し、ウォンを戻す。
次にレインが出したのはミジュマルだ。



「同じタイプのポケモンを出すなんて、どうかしたのかい?」


『…ただ簡単に勝つのは面白くない。どうせなら相手の考える事を覆す方が楽しいからな』



ミジュマルも分かっているようで、自らフィールドに立ち、相手を見らむ。



『オレから行くぞ。リベンジ』



水タイプのポケモンに同じタイプの技を出しても意味がない。なので格闘の技を出した。



「オタマロ、よけr『遅い』!!」



普通のミジュマルよりも格段に速いスピードで攻撃を仕掛ける。オタマロは避ける事が出来ない。そのまま攻撃を受けた。



「なんて早さだ…今までの戦いがまるで練習の様だよ」


『ああ、その通りだ。今までのはただの練習だ』


「てことは…」


『今からが本番だ。レイキ、れいとうビーム』



オタマロは指示を受ける前に固まってしまう。氷漬けにされたオタマロは、動く事が出来ない。もう、なすすべもなくなった。



『最大出力でシェルブレード』



氷の塊と化したオタマロに、とどめをさす。そのまま倒れたオタマロに…ただただ立ち尽くすだけのN。



『今から降参してくれたって、かまわない。どうする?』


「……戦うよ。たとえ勝つ見込みがなくても、ポケモンたちと心を通い合わせたいから」


『どうせなら、楽しいバトルにしてくれよ』


「……これが僕の最後のポケモンだよ。ドッコラー、頼むよ」



最後の一体として出てきたのは丸太を担いだポケモン。見るからに格闘タイプのポケモンだ。



『レイキ、そのままでも大丈夫か?』



コクン、と頷くレイキを見て、ボールには戻さずNを見やる。Nも戻さない事が分かったようで、攻撃を仕掛けてきた。



「きあいだめ、その後がまん」


『一撃で仕留めるぞ。がまんをされる前にやれ。れいとうビーム』



ドッコラーが我慢を発動するのが早いか、レイキがれいとうビームをあてるのが早いか…
あたりに土煙が立ち込めた。
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