理想と真実 本
□第二十五話
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《ポケモンリーグ、だと?どういうことだレイン》
『どういうことも何も、ねぇだろ』
食いかかってくるスイラにボールを向ける。
《おい!まだ話終わってねぇぞ!》
それもすぐにアイアンテールで弾き飛ばされたが。
《餌ってなんだ。いつまいた》
『この前だな。餌と言っても小さなものだ。喰いつくかどうかはわからねぇ』
《ってかレイン、まだリーグに出入りできる規定のバッチ持ってないでしょー?》
『ああ。そうだな』
まぁそんなものどうとでもなる。さっさと取りに行けばいい話だ。
《…協力しようか?ボクが化ければすぐにおわるよー?》
『いや、いい。コイツら自身も鍛えないことには、さっさと捕まっちまうからな』
腰についているボールを撫でる。
『オーキドのもとにいる奴らに関しては、そこは心配してねぇが…鈍ってないといいけど』
《どいつもこいつも好戦的な奴ばっかだったろーが。その心配はないだろ》
『だといいがな。とりあえずミライ、さっきの話だけど、ジムリーダーには言わなくていい。人数が多すぎても邪魔になるだけだ』
《じゃあ四天王とチャンピオンだけでいいの?》
『そうだ。フルメンバーで来るように言ってくれ。集まるのはオレが全てのバッチを集め終えたその時だ』
《混乱を避けるためにもジムリーダーには言わないほうがいいな》
『そういうことだ』
《…アイツはどうするつもりだ?》
ミュウが持ってきてくれたスイラのボールを受け取る。
『アイツ?』
《レッドのことだ。戦力にはなるだろ》
『アイツを呼ぶならどこぞの石マニアを出した方がいいだろ。話が通じる』
《石マニアも確かに戦力にはなるけどよ、生きる伝説とまで言われたアイツを呼ばないってのは…大幅な戦力不足じゃね?》
《ボクもそー思う!》
《俺もだ》
『………はぁ。分かった。呼んでおけミライ』
《りょーっかい!》
じゃあ言ってくるねー!っと言ってミライはテレポートを使ってさっさと行ってしまった。
『さて、オレ達も行くか。早急にジムを回らねぇと』
《そうだな》
『急に呼んで悪かったなミカルゲ』
《いやいい・・・・・・無茶だけはするなよ》
『ふは、無茶しなきゃ組織まるまる一個つぶすなんて無理だろ』
《はぁ・・・・・・これを持って行け》
そう言ってミカルゲが差し出したのは小さな紫色の石。
『これは?』
《我が本体の石の一部だ。生まれてからずっと共にあった。何かの役には立つだろう》
『ありがとな、貰っていく。じゃあ頼んだぞミライ』
《まっかせといて〜!》
ミカルゲから貰った石をポケットに突っ込み、洞窟の出口へと戻る。
《話は済んだのか》
『ああ、終わった。これから残りのジムを早急に回る』
《・・・ケリをつけに行くのか》
『そうだ。オレたちを苦しめてきたモノを壊しに行く』
外で待機していたルアンにまたがり、同時にスイラをボールに戻す。
《なら行き先は1つ、だな》
『ああ・・・・・・次のジムのある街へ』
《我が主の仰せのままに》