神ノ定メ 本

□第1夜
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「お前はアレン・ウォーカー。父親をアクマにしたあの時のガキですネ!!❤
それにお前は久遠レム。聖獣の力を持つ小娘ですカ…」


『それが何か?』



まだ痛む右腕に力を入れ、黒い剣(ダークソード)を構える。アクマの毒は浄化できても、僕の体に回復機能なんぞない。
アレンも左腕を対アクマ武器にし、伯爵に向かい打つ。



「AKUMAは哀しすぎる。だから破壊します」


「…アレン。おまえはあの時殺しておくべきでしタ❤アクマの魂が見える?彼らを救う?
出来るものならやってごらんなさイ!!❤エクソシスト!!❤」



レオの皮をかぶったアクマがレムに向かってもう一度銃弾を発射する。今度は先ほどよりも量を多くしてだ。



『さっきは二人をかばって撃たれましたが、そんな数の弾では僕に傷一つ付ける事は出来ない』


「生意気なムスメ❤それでハ❤東の国の言葉を知ってます?❤下手な鉄砲…かず撃ちゃ当たル」



先端にカボチャが付いた傘を振り上げれば雲の上から大量のアクマが姿を現す。



『なるほど。これだけ多くのアクマが一斉に弾を打てば撃ち殺せるとでも?』



千年公が指示をすれば、一斉にアクマが銃弾がこちらに向かって飛んでくる。



「ジャン!ここから離れるんだ。全部破壊する!!」


『では、僕が安全なとこまで連れていきます。それまで任せられますか?』


「ええ」



アレンは僕に一度振り返ると、大量のアクマの中に飛び込んで行った。
それを見ると、僕はジャンの脇に手を差し込み翼を広げて墓地の端まで連れて行き、降ろす。



『ここで待っててくださいね?』


「…お兄ちゃん、さっきのアクマに受けた傷は?」


『それなら心配しなくても大丈夫です。僕はそこまで弱くありません。だから今は僕たちに任せて君はここにいて下さい、ね?』



頷いたのを確認すると、もう一度フードをかぶりなおしてアクマの方を見る。



『ティム、ジャンと一緒にいて下さい』



念のためティムキャンピーをジャンと共に置いておく。フードから出て行ったのを確認し、そのまま飛び上がった。



『今楽にしますよ。闇の穴(ダークホール)』



剣の切っ先から生み出される黒い穴は、上空にいる大半のアクマを吸い込み破壊した。残るはレオのアクマとその周りにいるアクマだだ。
レムは空でアレンを見ている。レオのアクマだけはアレンが壊さなければいけないから…



「壊してアレン!!」



そのジャンの言葉に押され、アレンは十字架ノ墓(クロスグレイヴ)で残っていたアクマ全てを壊した。



「どうやらこのレベルでは相手にならないようですネ。また出直す事にしましょウ❤」


「伯爵!!」


「ですがお前達はまだほんの序章を見ただけ…世界で悪魔は進化し続けていル
これからが本当の終焉劇の始まりでス❤」



かぼちゃの口の中から時計が現れ、ベルが鳴り響く。



「吾輩はアクマ製造者千年伯爵。汚れた「神」とアクマとともにこの世界を終焉に導く者。
神の使徒エクソシスト。おまえたちがどうあがいても世界を救う事はできませン❤」


『まだまだアクマは増え続ける…僕らエクソシストはそれを"破壊"し、"救済"するのが役目…』



去っていく千年公を睨みつけながらつぶやく言葉は、昔から呪文のように唱えている言葉。
これは、前世でこの漫画を読みながら友達が呟いていた言葉だった。



『こんな怪我をして帰ったらリナリーに怒られてしまいますかね』



自分の怪我を見つめて溜息を吐く。そこへアレンとジャンが寄ってきた。



「助けてくれてありがとうございます。あの、名前は…?」


『僕の名前はレム。黒の教団に所属するエクソシストです。貴方は?(知ってるけど)』


「僕はアレン。アレン・ウォーカーです。よろしくお願いしますレム」


「ねぇお兄ちゃん。怪我、大丈夫なの?」


『はい。それなら自分の何とかできる範囲なので…包帯を少しくれません?』


「それなら…これ、どうぞ」


『ありがとう。それと僕は男じゃなくて、女ですよジャン』



言った途端アレンとジャンは固まってしまう。
訳が分からないレムは首をかしげ、二人を見る。そしてどこか悲しそうな声になる。



『やはり男に見えますよね、この顔。よく間違えられるんです。それに「僕」って言ってるのも間違えられる原因なんでしょうが…』



フードをとり、二人に顔を見せる。確かに自分が男っぽく、可愛くない顔なのは自覚している。それでもやはり間違えられると傷つくのだ。



「あ、いや、その…ごめん」


『いえ、謝らなくてもいいんです』



慈悲的に笑った途端、二人の顔が赤く染まった。
またもや変わる表情に、わけが分からず?を飛ばす。



「(よく見ると可愛いですね…)」


「お前…オレが大きくなって黒の教団に入ったらオレの彼女にしてやる!!」


「何言ってるんですか。たとえ子供だとしても渡しませんよ(黒笑)」


『?何か言いました二人とも。アレン、もうそろそろ出発しましょう。黒の教団はもうすぐそこです』



いつの間にか右腕の包帯を巻き終わっていた。真新しい包帯だったがもう赤く染まっていた。









その後、ちゃんとした治療を施し(ジャンの家で強制的に)、屋敷から手を振るジャンに手を振り返し、そのまま歩き始める。



「すみません。僕のせいで貴方に怪我をさせてしまいました…」


『いえ、大丈夫です。僕が勝手にした事ですし』


「それでもすみません。レムさん」


『さんなんて付けなくてもいいですよ。僕も呼び捨てで呼びますから』



二人はいろいろな事を話しながら黒の教団に向かって歩き始めた。
もっぱらアレンは自分の師匠についてだが…




 
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