神ノ定メ 本

□第2夜
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アレンが初任務に行き帰ってくる途中、レムはといえば…


半年の任務があったため休みをもらっていますよ。でも休みといってもただアクマを壊しに行く任務がないだけ。
………だから今、科学班のところでお手伝いをしてます。



『この書類どうすればいいですか?』


「ああ、ここに置いておいてくれ。それとコレを頼めるか?」


『分かりました』



リーバーさんの所に行っては出来上がった書類を渡し、また新しい書類をもらうという繰り返し。
それに今はエクソシストとしての正装ではなく、いつも来ている服の上には白衣、そして髪が邪魔なので後ろで軽く結っている。



「コーヒー飲む人ー?」



リナリーがお盆の上に人数分のコーヒーを持ってくる。どうやらリナリーも任務がないらしい。



「今日はずいぶんと楽そうですね。リーバーさん」


「ああ、レムがここんとこ手伝ってくれているおかげで書類が減ってくんだよ」


「レム居るの!?」



リナリーのあまりの剣幕に、一瞬たじろぐリーバー班長。



「ぁ、あぁ。ここ一週間いるぜ。半年の任務&コムイ室長が忘れていたお詫びだとかで…」


「早く言ってくれればよかったのに…そうすればレムとショッピングだとか行きたかったのに…」


『リナリー僕にもくれますー?』


「え?レムどこー?」


『ティム、リナリーを呼んできてください』



レムのティムキャンピーが出てきたのはコムイの机より高く積まれた書類まみれのソファーからだった。



「レム…目の下にクマが出てきてるわよ…それじゃ休暇の意味がないわ」


『いいんです。僕自身何かしてないと落ち着かないんで』


「でもそれはやり過ぎよ」



リナリーからコーヒーを受け取る。今日初めて口にするものだった。書類ばかりを見ていると食欲と眠気が失せるのだ。
そこへ書類をやらない人間一名が…



「おーいみんな起きてるーーーー?見て見て!
 じゃーん!我が科学班の救世主こと“コムリンU”でーす!!」


「何すかその無駄にゴツイロボ」


「コムリンだよ!やっと完成したんだ!」



そんなコムイを無視してレムはリナリーにコーヒーのおかわりを頼む。アレは相手にするだけ無駄だ。



『すいません。もう一杯もらっても?』


「確かコムイ兄さんに分のが…ってあれ?無い」



なくなってしまったコーヒーの場所を探れば、たった今コムイが連れてきたコムリンが飲んでいた。



『コムリンってコーヒー飲むんですかね?』


「さぁ?兄さん。コムリンてコーヒー飲めるの?」


「まさか!コムリンは機械だよ。コーヒーなんて飲めるわけ…」



その場に広がる沈黙…



「飲んだの?」


『思いっきり』



その途端なんか嫌な音を立てたコムリン。そしてリナリーに向かって伸びる腕。



『危ないリナリー!!』



慌ててそばに掛けよりイノセンスを開放して鉄の翼(不死鳥の羽を変化させたもの)を出し、リナリーを包み込む。
ギリッという音が出て、コムリンが出した注射針と鉄の翼がぶつかりあう。



『この注射針の針どんだけ硬いんですか!僕の鉄の翼に突き刺さってますよ…
物質が鉄だったおかげで中に入っていた麻酔も伝わるのが遅いようですが…』


「大丈夫レム!?ごめん、私が避けないばっかりに…」


『大丈夫ですよ、たぶん…今は暴走したこいつから逃げましょう』


「暴走?」


『あれを暴走といわず、何を暴走というんですか?』



そこには僕らを映し出し、何か筋肉マッチョに改造するとか言っているコムリン。



『筋肉マッチョは何としてでもなりたくないですからね…てかなんかフラフラする…徹夜したのが原因でしょうかね』


「徹夜してたの?」


『あの書類の山を終わらせたかったので…』


「(コムイ兄さん、私のレムに何してんのかしら。しかもをもっとレム疲労させる物作って…(黒笑))」


『…リナリー逃げましょう』



一向に動かず、何か黒いオーラをまとっているリナリーの手を引いて飛ぶ。他の皆も異変に気付いて逃げだしたようだし。



『リナリー、君はあのエレベーターに乗って』


「それならレムも…」


『僕はあいつをここから遠ざけます。あいつの扱い方は分かってるので。だからリナリーはコムイさんが絶対に


しゃべらず・動かず(ここ強調)


を出来るようにして置いて下さい。何してもかまいませんから』


「分かった(黒笑)」



リナリーと離れると、コムリンの目の前まで飛んでいく。



『キミの狙いは僕でしょう?』


「エクソシスト確認!!この女を改良すべし!!」


『誰がさせますか!!』



そのままに三回頭の周りを旋回した後、僕は地下水路の方に飛んで行った。もちろん、コムリンが追いついてこれるスピードで。










✝地下水路✝





「だいぶ遅くなっちゃいましたね〜〜〜〜」


「この嵐で汽車が遅れましたから」


「もう真夜中だなぁ…回収したイノセンスはどうしたらいいのかな」


「科学班の方なら起きていらっしゃると思いますよ」


「じゃあ行ってみます」



トマと別れ、科学班のもとに行くために階段を上ろうとしたところ、なぜか怪我をしたリーバーと、今にも倒れそうなくらいフラフラし、顔が赤いレムに出くわした。



「レム!?どうしたんですか?顔が赤いですよ!!」


『僕は…大丈夫だから…それよりリーバーさんを…』


「に、逃げろ…あいつが来る…」


「あいつって?」


『「コムリンだ/です」』



その途端わきの壁が崩れ、コムリンが姿を現す。そのまま勢い余って下水道の中に落ちるが、すでに壊れているコムリンは止まらない。
ザパン、と水面から顔(?)を出したコムリンはアレンとレムの姿をとらえた。途端にピントを合わせるレンズ。



「アレン・ウォーカー、久遠レム。エクソシスト二名発見。
手術ダーーーーー!!



そのまま猛スピードで追いかけてくるコムリンから、訳が分からないまま逃げるアレンとトマ。物凄い必死で走っている。
その横をなおも赤い顔のまま飛ぶレムとこれまた必死に走るリーバー。



『じ…実はかくかくしかじか…でして…』


「それって思いっきりコムイさんのせいじゃないですか(黒笑)僕任務開けで疲れてるんです」


「悪いなアレン。お帰り」


『お帰り…ア、レン…』



ボーっとしだしたアレンを不思議そうに見るリーバー。どうやら過去の事を思い出してるらしい。




  
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