神ノ定メ 本

□第3夜
2ページ/10ページ






『で、アレンはすでに今回の任務の核心人物に出会ったのに、見失ってしまったという事ですか?』


「すごく逃げ足の速い人でして…」



街に入ってすぐ三人は分かれて捜索していた。途中で落ち合った喫茶店でアレンが核心人物を見かけたとの報告があった。の、だが…



「でもホラ似顔絵!こんな顔でしたよ」


「似顔絵…?」


「あれ?」


『これは似顔絵というより子供の書き殴り?この顔から想像して………こんな感じの人では?』



即席で持っていた紙に書きなおし、アレンに確認すれば間違いないと言われ、リナリーからは絵のうまさをほめられた。

僕、漫画でみてますし…(←トリップしてきた人)

ていうかアレン、こんな時でも食べるんですね…しかも特盛り…



『リナリーはどうでしたか?』


「コムイ兄さんの推測はアタリだったわ。二人と街に入って別れた後、すぐに引き返して戻ろうとしたんだけど、なぜか気付くと街の中に戻っているの。
ちなみに街を囲む城壁を何箇所か壊して外に出ようとしたけどどこもダメ。穴から出たと思ったら元の場所に戻されてた」


「そうでしたか…レムは?」


『僕の方もダメです。何人か町の人に聞き込みをしてみたんですけど誰もこの街の奇怪に気付いている人はいませんでした。
どうやら10月9日のまま本当に止まっているようです』



コムイさんも最近伯爵が動かない事でピリピリしている。少しでも心配をとってあげるにはこの奇怪を解決するのが手っ取り早い。



「あああ!!」



いきなりアレンが食器を落としたと思ったら、僕とリナリーの間を指差して叫んだ。…この奇怪の核心人物、ミランダの登場だった。










その後、逃げようとするミランダをなんとか捕まえ席に座らし、事情を聞いた。あ、間違った。現在進行形です。聞いています。



「私ミランダ・ロットー。嬉しいわこの街の異常に気付いた人に会えて…」



その話をしているうちに、この街の主人が例の電話をかけている。実際聞いてみると怖い…問屋がノイローゼになるのも分かる気がする。
ミランダが暴走しそうなのを止めて、席に落ち付かせていると、僕の右目の十字架が何かをとらえた。アレンの左目も同じものをとらえたらしい。



「リナリー、ミランダさんを連れて一瞬で店を出て。君の黒い靴(ダークブーツ)ならアクマを撒いて彼女の家までいけますよね?」


『どうやらあの方々も他の街の人とは違うミランダさんに目を付けたらしいですよ。
なぜミランダさんがこの街の奇怪の影響を受けないのか…それはきっと貴方が原因のイノセンスにかかわっている人物だから』


「え?」



そうこうしているうちにも見せにいた人たちはかぶっていた皮を脱いで本来の姿に戻っていく。
見た事のないミランダにとっては、少々刺激の強い物だろう。もうすでに泣いている。



『リナリー、アレン、早く逃げて。ここは僕が押えます』


「そんな、レムだけじゃ危ないわ!」


「そうです!!僕も残ります!!」


『二人とも…』


「(アレン君、レムに怪我させたらただじゃおかないからね?(黒笑))」


「(それぐらい承知済みです。僕もレムの肌に傷がついては欲しくない(黒笑))」


『二人とも何してるんですか!!早くして下さい、襲ってきてます!!』


「レム、怪我しないでよ!!」



リナリーは黒い靴でここから出て行った。残るはアレンと僕とアクマが三体。しかもレベル2。


『イノセンス発動!!転換《鉄》龍の鉄腕、不死鳥の翼』



僕らもイノセンスを発動させ、アクマに向かい打った。










戦っている最中、街の城門の前にたたずむ一人の小柄な少女。少女が街に入ろうとすると、入った部分から皮膚が無くなり、身がむき出しになる。
しかし、それも中に入り切ってしまうと徐々に治ってゆく。当の本人はそんなことを気にする様子すらない。



「おっ邪魔〜〜〜〜。ロード・キャメロットちゃん参上ぉ〜〜〜〜」



全ての皮膚が元に戻ると歩き出す少女。名をロード。これからの物語のカギを握る人物の一角だ。




  
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ