騙し合う銀 本
□第1幕
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かつて人は妖怪を畏れた
その妖怪の先頭に立ち百鬼夜行を率いる男
人々はその物を妖怪の総大将――
あるいはこう呼んだ
魑魅魍魎の主、ぬらりひょんと――
そしてまた一つ、その隣を行く者(妖怪)がいた
ぬらりひょんの横あるいは前を行き、動物からなる妖怪の先頭に立った
その姿はまるで狼を連想させる容姿だった
魑魅魍魎の主の隣を歩くその姿は、妖怪や人間をも圧倒させた
その狐はこう呼ばれた
美しい銀の獣耳と尾を持つ
――銀狐、と――
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