リングの光T 本

□標的29
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黒曜ヘルシーランドの一件から早数日―
望んでいた平穏な日常に戻ることができたツナ。しかし―



「何処行ったんだよ…カレン」



あの日から、カレンは姿を消したままだった。雲雀が風紀委員を使って調べさせても、証拠は出てこない。


まるで、もとから居なかったかのように――

カレンは姿をくらましていた――




「しかも、なんだよこれ…まるで、」



別れの言葉みたいだ…



呟かれた言葉は、リボーン以外聞いていない。



「“さようなら”か…ツナに愛想尽かしたんじゃねぇのか?」


「うっ…そうなのかな…?」



リボーンの言葉を真に受けるツナ。そんなこと、あるはずもないのに…
それに、ツナは、最近自分の中で芽生えた気持ちに、どぎまぎしていた。



まさか…カレンに「     」するなんて…



「そういや、アレはどうしてるんだ?」


「ああ…これのこと?」



そういって差し出したのは左腕。そこにはオレンジ、赤、青、黄色、緑、紫、藍が使われたミサンガがあった。
ツナは大切なものを触るような手つきで、それをそっと撫ぜる。



「結構派手だよね…」


「いらないんならオレが貰うぞ」


「ダメ」



絶対にあげないよ。と、むきになるツナ。そして雰囲気が、どことなく黒い。



「(さっさと気持ちに気づけ、ダメツナ。その気持ちがカレンを救うんだぞ。それに、そろそろ本性、出したらどうだ)」


「それより飯まだかなぁ〜〜?」



そういってミサンガを服の中に隠すと、階段を降りて行った。そのツナには、あの黒い雰囲気はどこにもない。普通のツナだ。


そこでツナの父親である家光が帰ってくるということを奈々から聞かされている時…














カレンはイタリアにいた。
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