リングの光T 本

□標的37
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『いだぁッ!?』


「我慢しろ」


『だからって…そんなに乱暴にしなくでも…』



ただ今、自宅でリボーンから治療を受けています。治療って言っても、荒治療だけど。
翼にダメージを受けていたとしても、結局は自分の体のため、傷は負う。背中は抉り取られているわけではないが、火傷している。



『あの後、やっぱり大空と雷のリング、没収された?』


「ああ。それに、吹っ飛んだと思っていたチェルベッロの1人が無傷で立っていたことにも、みんな驚いてたぞ」



あのザンザスもな。そう付け足すリボーンに、少し驚く。



『そっか。で、今日の対戦者を伝えに来たんだろ?』


「ああ。今日は嵐の守護者対決だ」


『獄寺と、ベルフェゴール』



プリンス・ザ・リッパー。切り裂き王子の通り名を持つベルフェゴール。その名の通り、王族の血を引いている。



『ヴァリアー1の天才と言われている。警戒して損はないよ』


「解ってはいるんだが…」


『ああ、シャマルか』



シャマルがどう出るか。技を完成させていなければ、彼は絶対に獄寺を戦場へは送りださないだろう。



『とにかく、獄寺を信じてればいい。獄寺は絶対にツナを、ボンゴレを裏切らない』


「何処からそんな確信が出る」


『獄寺の行動見てれば解るよ』



右腕になるため、日々頑張ってるから、獄寺は。そう言えば、確かにな、とリボーンは返した。



『家光さんは、イタリアへ行った?』


「ああ。昨日の夜、飛んだ」



やっぱ、僕の忠告では行かなかったか。



『治療ありがと。僕も、もうそろそろ行く』


「ああ、先行って待ってるぞ」


『待ってるって…僕のことは認識できないよ』



またもや窓を飛び降りて出ていくリボーン。本当、近所の人に見られてないか心配だよ。
本当に幼児虐待とかで捕まるの嫌だよ。この年で少年刑務所は入りたくないし。

ま、逃げ切れる自信はあるけど←










〜並中〜



『今度は校舎内か…見えない』


《残念だったな》


『人事にしないでよ』


《俺にとっては人事だ》



もういいや。闇龍と話すのをやめて、窓から中を覗く。そこには獄寺の姿はなく、ベルフェゴールしかいない。
時計の針は、もう数秒で11時を指すところだ。11時を指した時点で、獄寺の負けが、決定する。



『(あの姿は…)』



少し心配していたカレンだったが、校庭を駆け抜けていくその姿を見た途端、不安はなくなった。
やはり、彼はツナを裏切ることは絶対にしない。何時だって、ツナに忠実。…たまにそれが、仇となるのだが。



『風龍』


《はい?》


『校舎内の声を、僕に運んで』


《解った》



闇龍の横に出てきた風龍。指示をすれば、風龍の姿は一瞬にして消え、変わりに風が取り巻き始めた。
風が吹き始めた途端、中での会話が全て筒抜けになる。獄寺は3階の校舎にギリギリで着いたようだった。



『冷や冷やさせるね…本当に。見ていて飽きない』


《それは褒め言葉なのか?》


『そんな感じだな』




バリーンッ




《おッ!?》


『驚いた?』


《驚くも何も、吹っ飛んできたぞ?》



中での説明に耳を傾ける。



『…アレは、ハリケーンタービンって言うらしい。4方向にランダムに強力な突風を発生させる装置…
例えると、風龍が4匹固まってるのが、フィールド中に置いてある。アレをくらったら、外に放り出される』


《風龍が大量……》


《私が実際に居るわけじゃない!》



風に乗って風龍の怒声が飛んでくる。…かなりお怒りの様子だ。これは何も言わない方が身のためだ。



『しかも、今回は時間制限つき。試合開始から15分以内に、どちらかが嵐のリングを完成しないといけない。
もしできなければ、ハリケーンタービンに仕掛けられた時限爆弾が順番に爆発、3階を全壊にする、らしい』


《あの、なんて言ったけか?鳥の名前の少年が黙っちゃいねぇんじゃねぇのか?》


『雲雀さんね。そうなるに決まってるから、この場に居ないんだよ。ディーノさんがいろんなところに連れまわして、戦ってる』


《跳ね馬、死んでねぇよな?あの少年はかなりやり手だと聞いたぞ?》


『死んでないから雲雀さんがここに居ないんだよ』



物騒な会話をしている途中で、試合開始の合図があった。
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