リングの光T 本
□標的6
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並盛中学校1−Aの教室に今日、新たに転入生がやってきた。
「イタリアに留学していた転入生の獄寺隼人君だ」
「(イタリアって言うとリボーンの故郷と一緒か…それにしても目つき悪いな。感じも悪いし)」
「ちょ、かっこよくない〜?」
「帰国子女よ!」
ツナの思いとは別に、クラスの女子は転入生に対して好印象のようだ。
だがそんな女子の中にも他の女子とは別の思いを抱くものが二名いた。
『(うん、原作どーりですね。順調にいってます。てことはツナは今度は獄寺と戦う事になるのか…
次は絶対見逃しません!!)』
「(確かにかっこいいけど、やっぱり一番は優君だなぁ)」
クラスメイトがそれぞれの反応を示す中、ツナが転入生の獄寺を見ると、
ギロッ
いきなり睨まれた。
「な!なんだよ〜〜〜〜!?」
「獄寺君の席はあそこの…獄寺君?」
いきなり歩きだしたかと思うと、ツナの机の前に立ち、いきなり机を蹴り飛ばした。
突然の事に、ツナも周りの男子生徒も驚いている様子。
波乱の朝の会は終わった。そして、物語が大きく進む昼休みになった。
カレンはツナが教室から出たのを確認すると、自分もその後を追った。
原作通り裏庭へと逃げてきたツナ。裏庭は、ツナの逃げ場所の一つだ。
「目に余るやわさだぜ」
校舎を背に息を整えていると、右側から声が聞こえた。
「!き…君は転入生の…!」
「…お前みたいなカスを十代目にしちまったらボンゴレファミリーも終わりだな」
「え!?何でファミリーの事を?」
「俺はお前を認めねぇ。十代目にふさわしいのはこのオレだ!!」
その頃、ツナと獄寺の争いが始まろうとしているまさにその時、観戦を決めていたカレンは裏庭に生えている植木の一つに身を隠していた。
『(間に合いました…お、獄寺がダイナマイトを投げましたね)』
そこへやってきた一つの影。夢中になっているカレンはそれに気づかない。
「そんなとこで何やってんだ。1−A月城 優。答えによっちゃあ、お前を野放しにはできねーぞ」
『(ヤバッ、厄介な人に見つかりましたか…どうしましょう)』
「答えねーか」ジャキッ
銃を突きつけられる。こうなっては観戦どころではなくなってしまう。
なんとしてでもツナと獄寺の戦いを見たいカレンとしては、いい迷惑だ。
『(しかたありません。リボーンが口が堅い人なのは漫画を見ていても分かりました。僕の事について話してしまってもいいでしょう)』
「…これは答えないと受け取るぞ」
『ま、待って下さい!話しますから…今日の午後九時、一人で一昨日会ったところに来てください』
「一昨日っておめぇやっぱりあの女…」
『ちゃんと話す事は話します。貴方の生徒に、用があるのでしょう?早くしないと遅れてしまいますよ』
「(何で知ってやがる…)ああ、そうだな…」
何とか引き下がり、向こうに行ってくれたリボーンに、ほっと溜息をつく。良かった、まだ戦闘は終わっていない。
観戦を続けていると、リボーンの登場だ。何かを話した後、獄寺がボムを増やし投げる。逃げ続けるツナに、リボーンが死ぬ気弾を撃つ。
「復活!!死ぬ気で消火活動!!」
『(お、始まりましたか。始めてみますね、死ぬ気モード…漫画で見るよりすごい気迫ですね…)』
ツナが死ぬ気で消火活動をする間も、ボムを放ち続ける獄寺。しかし、一個のボムが手元から落ちる。
それを皮切りに次々とボムが手元からこぼれ落ちていく。火がついたままのボムの中心にいる獄寺。
「消す!!」
「!!」
「消す!!消す!!消す!!消す!!消す!!消す!!」
『(ていうか、並中で死亡事件なんか起こると、雲雀さんが黙っていないのでは…)』
「はあ〜何とか助かった」
そうこうしているうちに、すべてのボムを消し終えたツナ。それを見た獄寺は、いきなりツナの目の前に土下座した。
「御見それしました!!!あなたこそ十代目にふさわしい!!!」
「!?」
「十代目!!あなたについていきます!!なんなりと申しつけてください!!」
「はあ!??」
「負けた奴が勝った奴の下につくのがファミリーの掟だ」
「ええ!??」
リボーンの登場、獄寺のいきなりの土下座&あなたについていきます宣言に、頭が付いていかない様子のツナ。
『(分かりますねこの気持ち。僕もあなたが十代目のボスなのよ!!って母さんに言われた時は、ものすごく驚きましたから…)』
変なとこで感心しているカレン。その時、突然今まで土下座をしていた獄寺が顔を上げ、優が隠れている植木あたりを睨みつけた。
「おい!そこにいる奴!!出てこねーか!!!」
『(やばい!ばれましたか!?)』
突然カレンが隠れている植えこみを指差し、+オマケの殺気まで飛ばしながら、獄寺が睨んできた。