リングの光T 本
□標的8
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とうとう入ファミリー試験の日がきてしまった。只今山本とツナと一緒に登校中です。
『(ああ、外階段のとこからの殺気が痛いです…山本はまだしも、僕にまで向けなくてもいいじゃないですか…)』
「(ちくしょ――野球バカの野郎!!10代目に馴れ馴れしくしやがって!!
それに隣に居る金髪!!何時の間に10代目と仲良くなりやがった!!)」
意味のない嫉妬で、殺気を出していた。隣に居るリボーンはそのことを注意しない。
…せめて殺気をしまってくれ。
「?優、どーかしたか?後ろに何かあんのか?」
『いえ、別に何でもありません』
「そーか、んじゃ早く教室に行こうぜ!このままじゃ遅刻しちまう」
「うわっ、ホントだ!優、山本!!急いで!!」
『そうですね、走って行きましょうか?』
「…走って行くのだけは勘弁してほしいな…」
三人でそんなやり取りをしていると、突然後ろからの殺気が消えた。振り返ってみると、二人の姿がそこに無い。
きっと獄寺は教室に、リボーンは…知らないがどこかに行ったのだろう。
『(まあ、試験は放課後ですしそれまでは自由に過ごしましょう)』
「おーい優!!おいてくぞー!!」
『はい、今行きます』
そして時は流れ…
――放課後――
「それじゃあ優君、また明日ねー」
『はい、京子また明日』
笑いながら返事を返すと、なぜか京子以外にもクラスの女子全員が頬を赤く染めた。
『?どうしたのです皆さん。熱でもあるんですか?』
「い、いや、熱なんてないよ!!」
『そうですか、ですが体調が悪いなら早く帰って休んでくださいね(笑)』
「「「「////////」」」」ズッキューーーン
恋のダメージを受けた!!!クラスの女子は瀕死になった。
『(本当にどうしたのでしょう?)』
優はそのままクラスを出た。廊下を歩いていると、獄寺と山本が話しているところが目に入った。
廊下は二人が占拠しているため、通る事が出来ない。そのままじっと離れて見ていると、獄寺が僕に気付いた。
「いいところに来たな月城、おめーにも話がある。ついて来い!!」
『え?あ、はい』
そのまま山本と二人、一緒に獄寺の後を付いて行った。着いた場所は学校のプール前。
そこに着いた途端、獄寺は僕たちの方に向き直りいきなり睨みつけ始めた。もちろん微妙な殺気いりだ。
「おいおい獄寺…呼び出しといてだんまりにらめっこはねーんじゃねーの?」
「(いけすかねぇ野郎だ…こんなやわそうな奴が10代目を守れるわけがない。
それにこの金髪ヤローは10代目よりモテてやがる!!ゆ、許せねぇ…)」
「お前牛乳飲むといいぜ。イライラはカルシウム不足だ」
「(限界だ…)」
獄寺がボムを隠れて発火させようとした。その時、向こうの方からツナの声が聞こえた。
「おーーい!!!」
「10代目!」ササッ
「よぉ」
「(はぁ〜〜〜〜何もまだおきてないみたいで良かった―――っ)」
『(グットタイミングですツナ!!爆発に巻き込まれずにすみました…やっぱり獄寺は忠犬ですね…)』
安堵している間に話が進んでいたようで、ツナがマフィアのボスであり、山本はファミリーに入るようだと言っている場面だった。
「よーし分かった。んじゃオレも入れてくれよそのボンゴレファミリーってのに」
「え―――!や…山本!?何言ってんの!?」
「ちっ」
「で、何すりゃいいんだ?」
「まず入ファミリー試験だぞ。もちろんカレンおめーもだ」
「えぇ!!カレンも!?…ん?カレンって誰?」
「それはだな…『リ、リボーン!!ちょっとこちらに来ていただけますか!!』ちっ」
急いでツナと山本から離れ、小声でリボーンに話しかける。
『(何僕の本名言おうとしてるんですか!!)』
「(いずれ言うんだからいつ言おうがいいだろ?)」
『(まだ話すときじゃないんです!!僕がいずれ二人には言いますから!!リボーンは黙ってて下さい!!!)』
「(…チッ、仕方ねーな)」
話を分かってくれたようで、しぶしぶながら了承してくれた。ツナたちの元に戻る。
不思議そうな眼で見られたが軽くスルーしておいた。
「んじゃ試験を始めんぞ。試験に合格しなくちゃファミリーには入れないからな。
…ちなみに不合格は死を意味するからな」
「んな―――っ!」
そんな事を言われても気にしていない様子の山本。…ほんとにどれだけ鈍いというのか、天然というのか…
「試験は簡単だ。とにかく攻撃をかわせ。…んじゃはじめっぞ」
こうして恐怖(?)の入ファミリー試験は幕を開けた。