リングの光T 本
□標的8
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「まずはナイフ」
ビュビュビュビュ
「うぉっ」
ヒュヒュンッ
『ぼ、僕もなんですかー!?』
ヒュンヒュンッ
「ま!待てよリボーン!!本当に山本と優、殺す気かよ!!」
「(殺せ 殺せ)」
「まあ待てツナ。オレらもガキんころ木刀で遊んだりしたろ?いーじゃねーか、つきあおーぜ」
「ボスとしてツナも見本を見せてやれ」
「はぁ!!?」
「そいつぁーいい。どっちが試験に受かるか競争だな」
『まあツナ、頑張ってください。もちろん危ないときは助けますが…』
「ちょっえ゛え゛ー!!?」
ツナは汗がだらだらと流れ、リボーンは面白そうに笑っている。そして山本は単に遊びだと思い、僕は見ているだけ。
「さあ逃げろ!!」
「そんなぁーっ、まったーっ!!」
『…二人とも元気ですねー』
僕は必要最低限の動きだけでナイフをよけながら山本ツナの後を追いかける。
山本とツナはあちらこちらを走りまわってナイフを避けていく。その状況を楽しんでいるのはただ一人、山本だけ。
「さすが野球で鍛えてるだけあるな。反射神経バツグンだ。もちろん優もな。次の武器はボウガンだ」
「先回り!?」
『卑怯な手を使いますね』
「ガハハハハハ、リボーン見―――っけ!!」
その時、校舎横にある階段から声が聞こえた。その声を聞いた途端、ツナの顔が歪んだ。
どうやらあまり好きではないらしい。声の正体、それは牛がらの洋服を着た赤ん坊――ランボだった。
何も頼んでないのに勝手に自分で自己紹介をしている。しかし――
「うざいのでた―――っ!!」
ツナからはうざがられ、
「ボヴィーノ?気かねー名だな。リボーンさんどーします?」
「続行」
「ひいっ」
ランボの目的人物であるリボーンからは完璧なまでに無視された。
「…………が・ま・ん」
ランボは一人耐えていた。そのもじゃもじゃな頭のどこからか大きなバズーカを取り出すと、それを僕たちの方に向かって発砲した。
「んなぁ!!?」
ドドドオンッ
「ンギャアア!!」
『おわっ!』
あんな物騒なものを僕たちの方に発砲しておいてもなお、反省の色が見られない。それどころか…
「おしいな、あと10メートル」
…ほんとマフィアの世界って怖い。自称5歳の赤ん坊にあんな物騒なバズーカやらなんやらを持たせるなんて…。リボ−ンは違うけど。
ツナと山本はバズーカをギリギリ避け、言い争い(?)をしていた。
ツナが「優も止めない?」と言ってきたが、『リボーンからは逃げられないですよ』と言うと、短く唸って何も言わなくなった。
「次はサブマシンガンだぞ」
「お…おい!!」
そんなテンション低めのムードの中に、またもや地獄につき落とすような声が響いた。ツナの顔がまたもや青ざめていく。
マシンガンから逃げている途中、リボーンが獄寺に何か耳打ちしているのが目に入った。…嫌な予感しかしない。それを聞いた途端、獄寺は手にボムを持つ。
マシンガンに続き、獄寺のボムが入った。しかし、それだけでは済まなかった。
ランボが10年バズーカを使い、10年後の自分と入れ変わったのだ。
今よりいくらか大人になったランボが、10年前の自分が持っていた武器を持ち、こちらに構える。
「やれやれ、10年後のランボがやるしかねーな」
「最後はロケット弾だ」
「果てろ」
バアッ
ドウッ
ドシュウウゥ
「おいおい…」
「え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」
『ちょ、3人同時は無いでしょう!!』
三つの方向から三つの武器が発射される。しかもその武器全てが自分達を狙っている。
原作通りなら山本がツナを助けるのだが、一向にその場から動こうとしない。
『(このままでは二人が危ない。あまり傷は付けたくないですし…しょうがないですね)』
武器が自分たちのすぐそばに接近してから、風龍の力を使い武器を自分たちの手前で爆破させることにした。
「ぎゃああああ!!!」
『風龍―風壁(フウヘキ)―』
ドガアアンッ
辺りに爆音が響いた。風壁のおかげで僕らは無事だった。無傷とまではいかないが、制服に隠れていないところにかすり傷を負った程度だ。
「10代目ーーー!!大丈夫ですか10代目ーーーー!!!」
煙の向こうから獄寺がツナを呼ぶ声がする。いや、心配するなら最初から話に乗るなってね。
煙がはれてくると、腰が抜けてしまったツナを山本が支えてその場から離れた。
「ふーーあぶねーーあぶねーーー」
「たっ…助かった…」
『危ないところでしたね』
そこへリボーンが近づいてくる。
「試験に合格だ。山本も正式にファミリーだぞ」
「サンキューー」
「優、お前もな」
『あんまり嬉しくないのですが…』
グチグチとリボーンに対し文句を言う。一方山本と獄寺は向かい合っていた。
するといきなり獄寺が山本の胸ぐらをつかんだ。
「よくやった。10代目を守ったんだ。ファミリーと認めねーわけにはいかねえ。
でも10代目の右腕はおれだからな。おまえはケンコー骨だ」
「け…ケンコー骨!?前から思ってたけど獄寺ッて面白ぇー奴な!」
ガハハハといきなり笑いだす山本。しかし突然真面目な表情に変わる。
「だがツナの右腕を譲る気はないね。おまえは耳たぶってことで」
「んなぁ!?」
「んだとコラァ?てめーは鼻毛だ!」
「なにぃだったらおまえは鼻クソだ」
『ツナは人気者ですねー。いいなぁ、僕もそんな人になりたいですね』
「ええ、優まで…そんなこと言わないでよ!!」
『ハハ、でもマフィアのボス、確かボンゴレでしたっけ?なるんでしたら、信頼できる仲間がいた方がいいんではないんですか?そうでしょう?リボーン』
「ああ、そうだ。お前お言う通りだ」
「リ、リボーンまで…オレはマフィアのボスになんかならないぞーーーー!!!!」
ツナの切ない叫びが並中に響き渡った。