魔の預言者 本
□第八話
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「ネイガウス先生」
部屋に入ってきた海のはあのネイガウス。
―奥村燐。サタンの息子よ―
燐の頭の中に流れる先ほどの映像。
「ゆ、雪男。そいつてきング!!??」
「おや、失敬☆」
天井から降ってきた(降りてきた)のはメフィスト・フェレス。…変なとこから来やがって。
「ハ〜イ☆ 訓練生(ペイジ)の皆さん大変お疲れサマでした〜」
『普通に登場しろよ』
「これはこれはすみませんねぇ〜。魔のyブフォゥっ!!」
『メフィスト?オレが言った事覚えてるよな?ああ"?』
その場にあった瓦礫をメフィストの顔面に向かって思いっきり投げる。それは奴に見事命中し、鼻血が吹き出した。
「フフ… 相変わらずですね…」
どこから取り出したのか、ポケットティッシュで鼻血を拭うメフィスト。用意周到だなオイ。
「この理事長(わたし)が中級以上の悪魔の侵入を許すわけないでしょう!」
指を鳴らした途端、其処ら彼処から出てくる先生達。
「医師騎士(ドクター)の先生方は生徒の手当てを」
「……まさか……」
「そう! なんと! この強化合宿は候補生(エクスワイヤ)認定試験を兼ねたものだったのです!!!」
サプライーズ、などというメフィストを一発殴る。
「グホッ…… 合宿中はそこかしこに先生方を審査員として配置し、皆さんを細かく審査(テスト)していました。
これから先生方の報告書を読んで私が合否を最終決定します。明日の発表を楽しみにしていてくださいネ☆
……ああ、お話があるので魔の預gガハァッ!!」
『…語尾に “星” 付けんな。気持ちワリィ。つかオマエ、日本語理解出来てんのか?バカか?純粋なバカか?』
ドガッ という音と共にメフィストが視界から消えた。…いや、吹っ飛んだ。
『人がせっかくさっきの発言を無視してやったのに… 2度目はねぇぞ』
右手を握りしめ、ハーハーと荒い息を吐く。他の皆(先生も含む)は呆然と眼を見開いている。
「…いくらなんでもこの理事長(わたし)を殴る事は無いでしょうッ!」
『テメェ…オレとの “規約” を忘れたわけじゃねーよなぁ?』
部屋の隅に吹っ飛んだメフィストの胸ぐらをつかみ、顔を近づける。その言葉にメフィストのおちゃらけた表情が一変した。
「…忘れているわけございませんよ。ただ、からかってみたかっただけです。私どもには貴方様の力が必要なのです。
今さら出て行かれるのは相当な戦力をもがれた事と等しい。どうか、お気を悪くなさらず…」
『………次は無いと思え』
「肝に銘じておきましょう…」
胸ぐらから手を放し、そこから立ち去ろうとした。
「待って…!」
『しえみ…?』
ドアから出て行こうとした海の手を掴んだのはしえみだった。ただでさえ意識が飛びそうなのに、立ちあがって袖を放さない。
「海、ちゃんも、怪我してる、でしょ…?」
『いや、べつにオレは…』
「見せなくちゃ…ダメ、だよ………」
そのまましえみは意識を失った。崩れ落ちるしえみを急いで抱えあげる。
『(軽っ! コイツちゃんと食ってんのか?)』
そういう発言は普通ヒロインに男の子が思うモノですが… 彼女はそこらへんの男より様になっているので対象外だろう。
『このまま医務室連れいていくか』
他のメンバーと一緒にしえみを抱えたまま医務室に向かった。