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□標的41
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『とうとう……――』



始まるのだ、“大空のリング戦”が。結果はだいたい予想がついている。が、僕が入って来たことによるズレまでは、分からない。



「カレン、時間」


『あ、』



凪に言われてソファーから立ちあがる。傍にあるテーブルに置いてあった2つのリングを右手にはめ、おしゃぶりを服の中に隠すように入れる。
隣に立った凪も、手の上に載せてあるリングを、確かめるように握る。



『よし、行こうか』


「うん」



きっと、道の先に獄寺達が居るはず。まずは、渡す物を渡さないとね。










「居た」


『だね。凪、此処で待ってる?』


「ううん、行く」



凪とともに、僕達の前に居る獄寺達のもとへ行く。僕らの存在に初めに気付いたのは山本だった。



「お、優…じゃなくて、カレンじゃねーか!」


「月城!?…と、女!んでここにいんだよ!」


『招集かけられてるでしょ?…それと、コレ渡しに来た』



一番近くに居た山本に、それを預ける。



「…ミサンガ?」


『そ。別に腕とかに付けなくても、ただ持っているだけでいいから』


「おー、ありがとな!」


『いや、僕が勝手にしてることだから』



お礼を言われるのは嫌じゃない。山本にそう返すと、一足先に並中への道を急いだ。










〜並中〜



全ての守護者がそろった校舎前の敷地。全ての守護者、つまり、怪我をしていようが、瀕死だろうが、集められる。



重症のルッスーリア

意識不明のランボ

捉えられたバイパー

そして、包帯を巻くスクアーロ



『(やっぱり、ディーノさんの出る幕潰しちゃったな)』



チェルベッロにより、僕の持つ天地のリング以外は全て回収された。



「大空戦のルールを説明いたします。大空戦も他の守護者同様、リングを完成させることが勝利条件の一つとなります」


「ただしフィールドは、学校全体」


「広大なフィールドでの戦いを観戦できるよう、観覧席と、各所に小型カメラと大型ディスプレイ。
守護者の皆様にはカメラ搭載型モニター付きリストバンドを用意しました」



手渡されるリストバンド。ためらうことなく、それを腕にはめる。



「では、守護者の皆様はリストバンドを装着し次第、各守護者戦が行われたフィールドに移動してください」


『僕は?』


「創造神はここで待機していてください」



ヴァリアー側はさっさと移動を始めた。



「では、やるなら今しかないか…」


「円陣だな」


「気合い入れましょう!」



絶対に入らなそうな雲雀さん、凪、そして拒否した僕を除いたメンバーで円陣を組み、気合を入れた。



『そうだ、雲雀さん』


「何」


『これどうぞ』



雲雀さんにも、皆と同様にミサンガを渡す。凪には既に渡したし、ランボは腕に巻き付けた。これでいい。



「全員、各フィールドに到着したようです」


「各フィールドに設けられたポールの頂上には、フィールドと同じ種類のリングが置いてあります」


「奪い合うのはご自由に」


「ただし、できればの話ですが」



その瞬間、リストバンドから毒が注入された。



「ただ今、守護者全員にリストバンドに内蔵されていた毒が注入されました」



倒れこむ守護者たち。カレンにも同様に毒が注入され、立っていることがやっとの状態だ。



「デスヒーターと呼ばれるこの毒は、瞬時に神経をマヒさせ、立つことすら困難にします。
そして、全身を貫く燃えるような痛みは徐々に増してゆき、30分で……絶命します」



晴・雷・嵐・雨・霧・雲。全てに染まりつつ全てを飲み込み包容することが大空の使命。天地は大空をも包み込む。



「守護者全員の命がボスの手に委ねられる戦い。それが大空戦なのです」


「毒の進行を止めるには、守護者のしているリストバンドに同種類のリングを差し込むことです。それにより解毒剤が投与されます。
しかし、創造神の場合は異なります。解毒するには、大空のリングを差し込まなければいけません。
他のリングを差し込むと、数分間だけ少々の痛みで動けるようにはなりますが」


「そして、大空戦の勝利条件はただ1つ。ボンゴレリング全てを、手に入れることです」



超化したツナと、ザンザスが向き合う。



「それでは、大空のリングザンザスVS沢田綱吉 勝負開始!」
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