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□両想いの裏返し
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嗚呼、
もし側にいられるなら…
僕は。
「ぶつかりに行くんだけどね、思いっきり」
『何……どしたの?』
もし側にいられるなら、
この体が傷ついたって守るんだけど。
「なんて思ってみたり☆」
『……あんた、頭どっかにぶつけた?』
「ぶつけてないよー。
ただ正直に気持ち伝えただけじゃーん」
『はいはい…矛盾してるけどね』
その瞳の奥が歪まないように…
「守るよ、絶対」
そう言えば照れたように笑う君に。
どうしても惹かれてしまうのは、きっと僕が君の幼なじみ以上を狙ってるから。
ただの騎士(ナイト)で終わるつもりはないよ。
だからと言って王子様、っていうキャラじゃないと思うし…。
まぁ君がそれを望むならボクはその通りに、君が望むままに動くけどね。
「それも全て君次第、ね♪」
『……やっぱおかしいわよ残夏』
「んー?
何が?」
『言ってることが支離滅裂、意味不明。
てか会話が繋がってない気がする。
それに……』
"貴方は私を好きじゃないわ"
嗚呼君は本当に…
「そうだね、ボクは君が好きじゃない」
『じゃあどうして守るなんて言うのかしら?
支離滅裂でしょ?
意味が分からないわ…』
そうだね…
ボクもわからないよ。
くつり、と小さく鳴った喉。
そして君は瞬時に眉間にしわを寄せて言う。
その一言が聴きたくてわざとこうしてるのに気づくのは、いったいいつだろうね。
...両思いの裏返し...
(嫌いが好きに一番近いって知ってた?)
(……歪んでるわ、貴方の気持ち)
(今更じゃない☆)
(……そうね)