summer×Suite
□出会い<唐突に・・・>
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「はぁーこれで段ボール運びはやっと終りか。」
引っ越し用段ボールを、積んで来た引っ越し屋さんのトラックからせっせと運び出して1時間、やっと運び終えた。
「よし、荷物の取り出しはあとからにしよう・・・」
一息ついて麦茶でも飲もうかと思い、台所へ向かうとそこには居るはずもない人影が一つ。
「誰だよ・・・?」
陰からそれ見ていた僕をその人影は、いきなり・・・
「倉本くーん!」
とジャンプそして、僕に抱き着いてきた。
「うぅ・・・おまえは、わ、若宮!?」
取り敢えず何故、ここにこいつが。
「うん、俺は若宮だけど・・・どうかしたの?倉本君。」
どうかしたじゃない、
「抱き着くな、しかもなんでここに居るんだよ!」
「あ、そうか説明しないと分からないか。・・・実は倉本君のお祖父さんがこの近くに住んでる俺と仲良くて。俺ん家アパート何だけど、家賃親が払ってくれているんだけど。なんかお祖父さんが死んだらこの家に住んでも良いよって言ってくれて、有り難く受けさせもらったんだ。」
こいつ抱き着いてきたことは無視か、取り敢えず引っぺがす。
「はぁーー」
僕の家系はやっぱりお人よしだな。
まあ僕もお人よしだけどさ・・
まああの祖父ちゃん決めたことだし我慢して従うか。
「それはそうとさ・・・」
話すことがないよ、どうしよう・・・そうだ。
「藤南高校二年三組 倉本 優也だけど、そっちは?」
僕の馬鹿・・・このタイミングでいくらなんでも、自己紹介はないだろう。
「そういえば自己紹介まだだったか、同じく藤南高校二年一組 若宮 風太」
まさか乗ってくれるとは、となると次の言葉は、
「「ふつつか者ですが、よろしくお願いします」」
「・・・ハモった」
「そういえば、何も言わないって事は・・・住んで良いんだよね?」
と若宮が尋ねる。
なんだよ、その子猫みたいな目は。
ちくしょう。
「ああ良いよ。祖父ちゃんの考えならしょうがない。」
こうして同居生活が始まった。